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アクシデントのショックを払拭出来ず

アクシデントのショックを払拭出来ないまま投手陣崩壊となった阪神が、開幕シリーズを負け越した。

阪神先発は左腕の榎田。初回は全て内野ゴロで上々に立ち上がったが、2回先頭村田の左二塁打からピンチを招くと、7番坂本に外角を右前に運ばれる適時打で先制を許す。そして、二死1・2塁の時 投手・大竹が打った右方向への飛球を追ってセカンド西岡とライト福留が激しく交錯。西岡のグラブから球が転がる間に2者が還った。(記録は三塁打)

この激突で二人が転倒。胸部打撲の福留は間もなく立ち上がったが、後頭部から落ちた西岡は全く起き上がる事が出来ず、ドーム内に直接入った救急車で緊急搬送される。凍りつくスタンド。青ざめる選手たち。収容される際、意識が朦朧とする中 左の拳を上げて強い意志を示した西岡 剛内野手に、阪神ファンから激励コールが起こった。

25分と長い中断のあと、榎田は1番長野に左前適時打を許して、4点目を失う。3回にも阿部・坂本の連打などで一死満塁とされるが、ここは橋本の中飛でタッチアップした走者・村田をセンター大和の好返球で刺し、追加点は阻止した。(榎田は3回限りで降板して7安打4失点)

巨人は広島からFA移籍の大竹が先発。阪神は2回ゴメス、マートンの連打から一死2・3塁となったが、7番福留の痛烈な打球をセカンド片岡に上手く処理される等、先制機を逃していた。4回表に今成のヒットなどで一死1・3塁として8番藤井の右犠飛で、ようやく阪神が1点を返す。

4回から継投に入った阪神だが、6回裏に3人目の二神が掴まる。アンダーソン、ロペスの両外国人にタイムリーヒットを浴び3点献上。大きく引き離されてしまった。7回には4番手の鶴が、開幕戦で打たれたロペスに今度は満塁アーチを浴びるなど大量失点で試合が完全に壊れる。この日、1番長野・5番ロペスなど打線を大幅に組み替えた巨人は、投手の大竹が猛打賞を記録するなど17安打。3連戦全て2ケタ安打と驚異的な破壊力を見せつけた。

阪神は7回表 途中出場の新井貴が変化球を捉えてセンターへ運ぶ今季1号ソロを放ち、好投大竹に一矢報いた。9回には上本が、巨人・青木から今季初アーチを描いて選手会長として意地を見せている。

12対3と惨敗の阪神に光明はまだある。6回代打で出場したルーキー梅野が、大竹の初球真っ直ぐをレフト前に打ち返す嬉しいプロ初安打!記念のボールを手にしている。

心配される西岡選手の容態だが、診断の結果は『鼻骨骨折と左肩鎖関節の軽い脱臼』で脳波などに異常はなく、入院して1日様子をみる方針。大事に至らないことを祈るばかりだ。

開幕3連戦を1勝2敗で終えた和田 豊監督は、ため息まじり。「投手陣の力がなぁ。中継ぎを整備しないといけない。ただ、いきなりの巨人戦で普通の精神状態ではなかったかも知れないし、一回投げれば変わって来ると思う。(打線は)アクシデントがあったけど、点を取れる状態になって来ている」と総括した。主力の思わぬ事故で早くもピンチ到来とも言えるチーム状態だが、「こういう時の為にキャンプからやって来ている。今いるメンバーで戦うしかないんだから…!」。最後は自らを奮い立たせるようにキッパリと強い口調だった。