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被災地へ届け!岩貞が好投も・・・

完璧に近い岩貞の好投で作った勝利の流れを自ら手離し、阪神が悔いの残る敗戦を喫した。

阪神は開幕から18試合不動の1番打者として活躍していた高山に何らかのアクシデント発生か?初のスタメン落ち。鳥谷・西岡の1・2番、前夜プロ初打席初安打の陽川が7番レフトでプロ初先発と言うオーダーで中日先発・山井に挑む。

阪神先発は熊本地震被災地の故郷を気遣う左腕・岩貞。初回から2三振を奪って良い滑り出しを見せる。クロスファイアの速球にチェンジアップなど変化球を駆使して、難敵ビシエドらを打ち取って行く。

緩急自在な山井の投球に4回までノーヒットに抑えられていた阪神は5回表、先頭8番 梅野のレフト前チーム初安打・プロ初盗塁と四球で一死1・2塁として2番 西岡が内角直球に差し込まれながらもライト線に運ぶ適時二塁打で先制する。続く江越は左犠飛、ゴメスも右中間へ適時安打を畳みかけて一気に3点を奪った。山井は、5回( 73球)3安打 3三振 4四死球 3失点で交代している。

「昨日完封負けをして悔しい気持ちだった。今日は絶対にやり返してやろうと思ってプレーしている」西岡 剛内野手の強い気持ちが先制打を呼んだ。江越大賀外野手は「打ったのはスライダー。ツヨシさんがランナーを返して先制点が取れたけど、まだチャンスが続いていたので次の1点を取るために積極的に打っていこうと考えていた。最低限の仕事は出来たと思う」と話し、マウロ・ゴメス内野手も「打てるボールが来たらファーストストライクから積極的にスイングしようと考えていたんだ。自分の仕事はできたんじゃないかな?」・・・フォア・ザ・チームのコメントだ。

リードをもらった岩貞は5回二死1・2塁、7回一死2塁のピンチにも動じる事なく真っ直ぐとチェンジアップを軸に攻め続ける。7回まで毎回のセリーグ19人目となる3試合連続2ケタ奪三振と素晴らしい投球。7回(100球)4安打10三振 無四球 無失点と言う抜群の内容だった。

まだ 余力を残していたように見えた岩貞だが、阪神ベンチは8回裏 から逃げ込みに入る。2人目・福原は先頭打者を四球で歩かせ代打・藤井に粘られた後、右中間へ適時三塁打を浴びて高橋に交代。高橋は内野ゴロの間に2点目を失い、たちまち1点差に迫られた。

9回裏はもちろんマテオを送るが、先頭ビシエドに右中間二塁打を浴び、ナニータにも四球。この後  堂上にも四球を与えて一死満塁の大ピンチを招く。そして、8番 杉山への初球を叩かれセンターオーバー適時二塁打で4対3。ナゴヤドームで悪夢のような逆転サヨナラ負けを喫する。

「(マテオは、いつもと比べて)スライダーの曲がりが良くなかった」。金本知憲監督が辛い試合を振り返る。「(岩貞は)ホントに気持ちの良い投球をしてくれたけど、勝ちが付かずにかわいそうだね」。7回までで一杯一杯だったと言うベンチの判断だったようだが、「これも野球だし・・・」と肩を落とした。

欠場した高山については「ヒジがロックしたみたい。無理させてもネ」との事。今後の出場は様子を観て決める方針だ。完勝ペースを暗転させた采配で落としたあまりにもショックな黒星。金本阪神に最初の大きな危機が訪れた。