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糸井が心配

福岡ソフトバンクの投手リレーにクリーンアップを完全に封じられた阪神が、点差以上の完敗を喫した。

交流戦は折り返しの後半に突入。福岡に乗り込んだ阪神は、ソフトバンク先発・バンデンハークに対して4番 福留を指名打者にして好調・中谷を7番レフトで起用する。初回は1番 糸井の中前安打と盗塁で先制機を作るも上本・高山・福留が3者連続三振を喫して無得点で始まった。バンデンハークは、この後 三振とフライアウトの山を築いて行く。

今季立ち上がりの失点が目立つ阪神先発・岩貞は、初回一死からサードベースに当たる今宮・左二塁打の後 3番 柳田に中前適時安打を浴びて、あっさり先制を許す。

3回表 阪神は四球の北條を岡崎が送って一死2塁の好機を迎えるが、糸井は三邪飛。上本・四球も高山がナックルカーブにあえなく空振り三振に倒れた。するとその裏、ソフトバンクは一死1塁から先制打の3番 柳田が岩貞の初球真っ直ぐを逆方向のレフトスタンド最前列に放り込む3試合連続の 15号2ランを放って3対0とリードを広げる。

香田勲男投手コーチは、強力打線に対抗する為には「いつも通りに腕を振って行く中でも、球数を使っても」岩貞-岡崎のバッテリーには丁寧な投球が必要だと注文をつけたが、岩貞は中盤以降立ち直り、本来の投球を取り戻す。岩貞は7回(101球)まで投げて、6安打7三振1四死球3失点だった。

「球自体、そんな悪い感じはなかった」と岩貞祐太投手。内容は寧ろ良かっただけに「最少失点の投球をしないと」いけない事は本人が一番良く分かっている。6安打の内5本が今宮と柳田に打たれたもの。それだけに何とも悔しい投球だったと言えそうだ。

3点を追う阪神は6回表 チーム2本目・糸井の中前安打から上本もヒットで続き盗塁も決めて無死2・3塁と絶好の反撃機を作る。しかし、高山は浅い左飛、福留・見逃し三振、原口も一飛とクリーンアップが全滅して大きなチャンスを逃した。結局バンデンハークをあと一歩まで追い詰めながら、6回(98球)3安打9三振2四死球の無失点で勝利の方程式に繋がれてしまう。

福岡ソフトバンクは7回から森~岩嵜~サファテと盤石のリレーで3対0と阪神を完封した。猛虎打線は僅か4安打で今季最多の14三振と振るわなかった。一方で、立ち上がりの課題は残したものの、途中から立ち直った岩貞は昨季の投球を取り戻しつつある内容を見せて、今後に明るい材料を残したと言えそうだ。

「(バンデンハークについて)去年から言ってるけど、速い球を捉えきれない。それが一番」。金本知憲監督は、お手上げの表情だった。「(岩貞が柳田に一発を浴びたのは)外の甘いところを(見逃されずに)しっかりいかれた。彼の一番打てるところ」などと振り返っている。

それにしても気がかりなのは、試合途中で糸井に代走が送られた事と主砲・福留の覇気のない4打席連続三振である。糸井は、盗塁の際に左大腿部を痛めたらしく、6回の打席が終わったら代わろうと話していたと言う。「病院に行ってどうか?(明日の出場は)状態をみながら」決める方針である。