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 鬼門の敵地で大逆転!

初回に大量失点にも我慢してその後の失点を防いだ阪神が、中盤追いつき終盤に勝ち越して鮮やかな逆転勝利を飾った。

CSファイナルステージの舞台となるマツダスタジアムで、阪神先発・能見がいきなり先制パンチを浴びる。初回  田中・丸のヒットで一死1・3塁とした広島は、4番 松山が左中間へ14号3ランを放ち鮮やかに先制する。更に新井・四球後、6番バティスタもレフト最上段のネットを揺さぶる特大の 11号2ランアーチを飛ばして1回裏に大量5点を奪った。

2回表一死1・3塁の好機を大和・遊ゴロ併殺打で逃した阪神は、3回表二死3塁から2番 上本が、広島先発・大瀬良の初球・変化球を捉えて左前適時安打を放ち1点を返す。この後、糸井のヒットと四球で満塁とするが、5番 大山は4球フォークを続けられた後の内角直球で見送り三振に倒れた。

能見は4回(72球)まで投げて6安打1三振1四球5失点で降板。2回以降は立ち直ったものの、いかんせん初回の2発被弾が余りにも痛かった。

6回表  阪神は福留・鳥谷のヒットで一死1・2塁として7番 大和の中前適時安打。二死後、代打・伊藤隼の右前適時安打で2点を返して大瀬良をノックアウト。代わった九里からも1番 俊介の遊撃適時内野安打で1点差。尚も上本・四球で満塁として糸井の一ゴロを広島・メヒアが弾く失策で5対5と追いついた。

「打ったのはストレート。チャンスの場面で送り出してもらったので、いつも通り積極的に行こうと思って打席に入った。抜けてくれて良かった」と、代打タイムリーの伊藤隼太外野手が振り返る。

阪神は5回以降、岩崎〜藤川〜桑原と繋いで広島に追加点を許さない。終盤にもつれ込んだ試合は、8回表 阪神が勝ち越し点をあげる。広島3人目・中田から一死後 代打・江越の四球と俊介・左前安打などで2・3塁となる。ここで2番 上本がレフト線へ2点適時二塁打を放って7対5として、遂にリードを奪った。

後はマテオ〜ドリスと繋いだ阪神が、そのまま7対5で広島に逆転勝利を飾る。試合後  リーグ優勝のセレモニーが行われた敵地マツダスタジアムだが、今季最終戦で広島に一矢報いた事は  CSへ向けて阪神には有意義だったと言えそうだ。

「大瀬良を降ろせたのは大きい。みんなが諦めずにやってくれた結果。上本もそうだが、江越・隼太もよく繋いだ。良い時の点の入り方だ。5点ビハインドをひっくり返せたのも大きいネ!」。片岡篤史打撃コーチも打線の奮起に満足そうだった。

「やっぱり、やられたイメージが強い球場でね、勝てて、しかも逆転勝ちと言うのは(大きな意味がある)。選手は気持ちの上でイヤなイメージを少しでも払拭して欲しいよね」。金本知憲監督が振り返る。「スピードも出てて(能見は良かったのに)やっぱり初回の田中広輔と丸かな?あの変化球がちょっと浮いたのが勿体無かったなと言うのはあるけど・・」。

今季マツダスタジアムでは、昨季と違うパターンで最初に点を取って優位に進めても終盤に逆転されるケースも多かったが、逆に言えば「この球場では割と打てている。だから、後は投手陣がしっかり投げてくれれば勝機はあるかな?」と指揮官は考える。8月中旬頃からリリーフ陣に疲れが見え始めた中で、7月30日から18試合連続無失点の藤川だが、「球児はずっとイイんでね。もう、本当にストライクゾーンにさえ行けば、彼は十分力を発揮出来る。去年はコントロールミスでストライク取るのに四苦八苦して、ストライクを取りに行ったところを痛打されるというパターンだったけど、ボール自体はスピンがきいてるしね!」と絶賛していた。

この夜も四球の走者を許すも見事に繋いだ藤川球児投手は、「向こうは優勝してるので。こっちは普通にやるだけ」と至って淡々と話した。クライマックスシリーズを控えたこの時期、百戦錬磨のベテランがプルペンに君臨している事実は何を差し置いても頼もしい限りである。