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秋山 暗転!ミスで自滅

序盤再三の先制機を逃した阪神が、快調に立ち上がった先発右腕のミスから相手に主導権を奪われ、そのまま押し切られた。

デーゲームのナゴヤドーム。この日から観衆の上限が5千から1万1千に引き上げられた。中日先発・福谷に対する阪神は、前夜と同じ並びで臨む。初回先頭・近本が右中間二塁打。陽川・死球で無死1・2塁も糸原はバント失敗の投飛、サンズ・見逃し三振、大山もニゴロに倒れて絶好機を逃した。2回表も先頭・ボーアの左中間二塁打から一死3塁とするも木浪・秋山が連続三振で得点をあげる事が出来ない。福谷は、ピンチを背負いながらも両サイドをしっかり使って攻めの投球を見せる。

阪神先発・秋山を迎え撃つ中日も2試合続けて同じスタメンを組んだ。初回・2回裏と3者凡退でスタートした秋山は、3回裏一死から打撃好調の8番 木下拓にチーム初安打を許すも後続を抑えて序盤は無失点で滑り出した。真っ直ぐの伸びも上々な秋山は、ボールの高さに注意しながら丁寧に投げて行く。

4回裏 中日は、アルモンテのヒットと高橋の投ゴロを処理しようとした秋山の一塁悪送球で二死2・3塁と思わぬチャンスが舞い込む。ここで6番 阿部がカウント2-1からの内角球を叩いてレフトスタンドへの8号3ランを放ち、押されていた中日に先取点が入った。秋山にとっては、自らのミスでやらずもがなの失点となり、痛恨の一発だ。

これで気をよくした中日・福谷は、この後も順調にアウトを重ねる。7回表に坂本の打球(記録は投手強襲安打)を右太腿付近に受けて福と交代するまで、6回2/3(101球)4安打5三振1死球 無失点と尻上がりの申し分ない内容を見せた。

秋山は7回裏にも一死2塁から7番 平田の投ゴロを再び一塁へ悪送球。更にダメ押しの1点を与えてしまった。序盤の立ち上がりが素晴らしかっただけに、つまらないミスからの自滅は、返す返すも勿体ない。7回(102球)5安打4三振 無四球5失点も自責0という数字が、無念さを際立たせる。秋山拓巳投手は、「自分の2つのミスが失点に繋がってしまい悔しいし、チームに申し訳ない」と話すのが精一杯だった。

8回裏には2人目で浜地が今季初登板。走者を背負いつつも1安打無失点に抑えた。浜地真澄投手は、「今シーズンの初登板で緊張もあったけど、何とか0点で抑える事が出来たのは良かった。次はもっと良い投球が出来るように頑張る」と意気込みを述べている。

中日は8回表を祖父江が抑え、最後は R.マルティネスで投げ込みを図る。9回表 阪神は糸原・死球と大山の右中間二塁打で一死2・3塁と抵抗を示す。6番ボーアは左翼ポール際へ大ファールを打った後、中犠飛を打ち上げて漸く1点を返した。坂本が四球を選び、代打・福留登場。一発出れば同点の場面を作ったが、あえなく投ゴロで試合が終わる。4対1で中日が勝った。

「負けに不思議な負けなし」。故野村克也さんの言葉だが、どんなに押していても流れを掴むべきタイミングを逸すれば、勝利を得る事が出来ないという典型のようなゲーム。やはり、ミスをした方が負けるのだと心に刻み、猛虎ナインには更に厳しい態度で隙を見せない野球をする事を望みたい。