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雨を切り裂く大山の決勝アーチ

本塁打の出やすいことで知られる神宮だが球場関係なしの凄い当たりだった。

2回、先頭打者のマルテが放った高く舞い上がった打球に対してヤクルトのレフト・青木は1歩も動かすただその行方を見送ることしか出来ない。今季15号は先制の特大弾、完璧な一撃をレフトスタンドへ突き刺した。

「高く浮いてきたボールを1球で仕留めることができたね。先制点が欲しかったから、自分の仕事をすることができて良かったよ」

続く3回には糸原の適時2塁打で追加点を奪う。今季6勝無敗、防御率2.01と安定感抜群のガンケルを序盤から援護した。

好成績を残す先発のガンケルはヤクルト戦になるとさらに凄みを増す。3試合19回で許した失点は2点だけ。防御率は0.95で被打率.174とほぼ完璧に抑えている。立ち上がりは先頭打者に安打を許すが三振ゲッツーで切り抜けた。2回、3回と順調にアウトを重ねるが4回に3点を失い逆転を許してしまう。それでも落ち着いて5回と6回は無失点。「4イニング目はピンチでクリーンアップだったから、低めに投げないといけない場面だったけど、ボールが浮いてしまって打たれたことが悔やまれるね」と話したが先発の役割はしっかり果たした。

1点を追う8回、2死ながら1、3塁とすると梅野がレフト前に同点の適時打を放つ。土壇場で試合を振り出しに戻すとなおも続く勝ち越しのチャンスに「チーム全員で繋いでのチャンスだったので何とか還すことだけ考えて打席に入りました」という大山がさすがの一撃を放った。1ボール1ストライクからの3球目を捉えると打球は雨を切り裂きライトフェンスの向こう側へ着弾。走者を2人置いた場面で飛び出した逆方向への一発で3点の勝ち越しに成功した。

追い上げは許したもののリリーフ陣がこのリードを守り切り、カード勝ち越しを収めた。明日からは2位巨人との直接対決、前半戦最後の大きな山場に矢野監督は秋山を中4日で投入する。今カード5本塁打の打線が援護し首位固めとしたい。