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6点差を追いつき勝ちに等しい引き分け
首位チームを決するに相応しい伝統の一戦の3戦目、またしても劇的な展開が待っていた。1戦目は終盤にビッグイニングを作って逆転勝ち。2戦目は大山の逆転アーチでサヨナラ勝ち。3戦目は最大6点のビハインドを追いついた。
先発の秋山が立ち上がりに3点を失うと矢野監督の決断は早かった。2回に糸原と梅野の安打で2死ながら1、2塁とすると秋山の打順で代打を送る。翌日が試合のない月曜日とはいえ、まるで優勝争いをしているペナントレース最終盤かのような采配に、この一戦にかける意気込みが表れていた。
3回からは藤浪がマウンドへ。空気を変えられる男の登場に甲子園は盛り上がった。ロングリリーフ、第2先発の役割を期待された藤浪は豪速球で巨人打線をねじ伏せる一方、制球がアバウトな場面もあり手痛い一発を浴びてしまう。5回を終わって0-6。逆に点差は開いてしまったがベンチは誰一人諦めていなかった。
大量ビハインドを追う6回、先頭の中野が3塁打で出塁すると猛攻の幕が上がった。サンズの打球が相手の失策を誘ってまず1点を返す。この後、四球で走者をためると1死満塁から代打・原口がライト前に適時打を放つ。さらに梅野の内野ゴロの間に3点目を奪い、2死1、2塁からロハス・ジュニアの打球はセンター前へ。この回打者一巡の攻撃で一挙4得点、ワンチャンスで追いつける点差に迫った。そして次のチャンスもすぐに訪れた。
7回、サンズの安打と相手の失策で無死1、3塁とし糸原の内野ゴロの間に1点を返す。2死1塁をチャンスと呼ぶには少し物足りないが、この男にとってはそれで十分だった。「絶対に勝ちたい!それだけです」強い思いを乗せた代打・糸井の打球が左中間を破ると1走・糸原が長躯生還、同点のホームを駆け抜けた。
ついに6点差を跳ね返し同点に追いつく。8回を岩崎、9回をスアレスが抑えると最終回の攻撃では大山の2塁打と代打・島田の内野安打、木浪の四球で2死満塁とした。近本が放った鋭い打球は惜しくもセンター後方へのフライとなり連夜のサヨナラ勝ちとはならなかったが、勝ちに等しい引き分けだった。
激戦を終えた矢野監督は「諦めない、粘り強く全員で、そういう野球が出来た結果、追いつけたかなと思います」今カードが始まった段階で首位奪還の条件は2勝1分以上と厳しいものだったが見事にクリア。次カードは3位のヤクルト戦。上位チームとの対戦が続くが9月戦線でも主役の座は譲らない。