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逆襲を告げるサトテル弾で今季初勝利

甲子園オープニングゲームで、チームに流れる重苦しい空気を球団史上最年少4番がファーストスイングで振り払った。

初回、近本が安打で出塁し相手のバッテリーミスで2塁に進む。中野も安打で続き近本が生還、4球であっさり先制に成功すると怪物も目覚めの一発で甲子園を沸かせた。佐藤輝が1死1塁から初球のインコースを狙い打ち。今季の甲子園初打席でファンが待つライトスタンドに本塁打を放った。

「初球から強い当たりを打つつもりで、集中してバッターボックスに立っていました。ギリギリだったんですけど入ってくれてホッとしました」

開幕から9試合は本塁打なし。昨季以上に執拗なインコース攻めに晒され自慢の長打力を封じられていたが、いつまでもやられるわけにはいかない。長距離ヒッターの泣き所、インハイのストレートをスタンドまで運び試合の主導権を握った。

2回には今季初スタメンの小幡の足が光った。先頭打者として2塁打を放ち、送りバントで3塁へ。投球を捕手が弾くと思い切り良くスタートを切り、間一髪のタイミングで4点目のホームへ滑り込んだ。

序盤に援護点をもらった西勇は走者を出しても落ち着いて後続を断つ。コースの出し入れを自在に操る投球術は安定感抜群だった。アウトコースで見逃しや空振りを奪い、インコースで詰まらせる。8回まで無四球無失点で試合を作り9回もマウンドへ。打順は4番からの厳しいところだったがきっちり三者凡退に抑え、見事な完封勝利を挙げた。

「何とか長いイニングを投げて、楽な継投に持っていきたかった一心で投げた結果が完封だったので本当に良かったなと思います」

打線の火付け役である近本は2安打1四球と塁を賑わせ、4番の佐藤輝が豪快なアーチを描き、主戦格の西勇が最後までマウンドを守る。役者が揃い踏みの快勝に矢野監督は「多くのファンの皆さんが来てくれた、そういう力も僕らのパワーに変わったと思います。明日の試合に全員で、全力で戦っていきます」。開幕スタートには失敗したものの甲子園から逆襲が始まる。