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負けない野球、驚異の粘りで引き分け
6月とは思えない暑さに包まれた赤い球場、マツダスタジアム。熱気を纏った攻撃陣は初回から相手バッテリーに襲いかかった。
先頭の中野は相手の失策で、島田は内野安打で出塁しチャンスを作る。相手バッテリーにプレッシャーをかけるとパスボールでそれぞれ進塁。このもらったチャンスを近本は逃さない。センター前に先制の適時打を放った。
「内野が前に来ていたので、強い打球を打つことを心がけました。2戦とも先制点を取られていたので、今日は先に点を取ることができてよかったです」
この後さらに佐藤輝の威圧感が再び相手のバッテリーミスを誘い2点目を奪った。
援護点をもらったウィルカーソンはゴロを打たせる持ち味を発揮して4回まで無失点に抑える。5回に同点を許したものの先発の役割は果たした。
「前の2試合の登板で課題だった部分は修正できていたと思うし、全体を通して、早いカウントからゴロを打たせる自分らしい投球ができたと思うよ。ただ、点を取られた場面については、ボールが甘くなってしまっていたので、次回はしっかり粘り切れるように、また調整していきたいね」
打線は走者を出しながらも追加点を奪えず、逆に2-2の7回には岩貞が手痛い一発を浴びてしまう。劣勢の終盤戦となったが8回はケラーが広島のクリーンアップを三者連続三振。最高の形で9回の攻撃に繋いだ。
1点を追う最終回は先頭の梅野が安打を放つと中野が送りバントを成功させ、代走の植田を得点圏に進めた。2死後、近本がライト前に同点の適時打を放ち、驚異的な粘りで延長戦に持ち込んだ。
「なんとしても1本出さなきゃいけない場面で、相手も好投手ですし、とにかく打席の中で食らいつくだけでした。抜けろと思って走っていましたし、(植田)海がよくホームまで還ってきてくれたと思います。
10回裏に2死1塁からレフト線へ長打で打たれた場面ではレフト・島田〜ショート・中野とつないだ中継プレーでサヨナラ負けを阻止。このピッグプレーの勢いに乗り、11回と12回に得点圏に走者を置くもあと1本が出ない。勝ちのなくなった12回の裏にはリフレッシュを終え1軍合流した岩崎を送り出す。守護神は2死満塁とするが、島田がフェンス際の大飛球を掴みとり踏みとどまった。
激戦の末、白星は逃したが負けなかったことも大きい。明日は甲子園で青柳が先発する。この3連戦の戦いぶりが出来るならば勝利をつかめそうだ。