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大山不在を跳ね返す先行逃げ切り星

試合前の敵地には強い雨が止んでも暗雲が立ち込めていた。打線の要であった大山とムードメーカーの北條が新型コロナウイルス陽性判定を受け登録抹消。22本塁打、71打点はどちらもリーグ2位の主砲を欠く事態となってしまった。

打線はこのピンチにも下を向くことなく初回に先制に成功した。1死から島田と近本の連打で1、3塁とすると佐藤輝がレフトに犠牲フライを打ち上げた。

「追い込まれていたので、なんとか食らいついて、外野まで運びたいという気持ちでした。そこまで飛距離が出た打球ではなかったですが、島田さんがよく走ってくれたと思います。ありがとうなぎ。」

3回には2死1塁からロハス・ジュニアが右中間へ2点本塁打を放った。

「いい打席を送りたいと思ってましたし、ストライクゾーンの球を待ってました。少なくともツーベースぐらいは打ちたいと思ってました。失投を仕留められて良かったです。大山選手の抜けた穴を埋めようと必死で頑張りました。昨日、抹消された後にファンの皆さんにメッセージをいただいたのでそれをパワーに出来て活躍出来て良かったです。ありがとうございました」

新助っ人・ロドリゲスの加入もあり4日に登録抹消されていたが大山の代替登録選手として再び1軍へ。気持ちを切らさずしっかり準備していたからこその一撃でリードを3点に広げた。

先発の西勇は6回途中までマウンドに立ち2失点。岩貞のリリーフを仰いだため「緊迫した試合の中で、ランナーを残してマウンドを降りる形になってしまったので、踏ん張ってくれた(岩貞)サダに感謝です」と振り返った。

7回は浜地が三者凡退。8回は湯浅が無死1、2塁でクリーンアップと対戦する厳しい場面を迎えたが外野フライと三振2つで大きなピンチを切り抜けた。マウンド上での落ち着きぶりと堂々たる投球はもはや期待の若手という立場ではなく、紛れもなくセリーグナンバーワンリリーバーだ。

9回は岩崎が三者凡退に抑え1点差で逃げ切りに成功した。先行逃げ切りで僅少リードを守り切る、得意な形でカードの頭を取り明日は藤浪が先発マウンドへ。ドラマを起こすために必要不可欠な主役級の投球に注目だ。