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アレへまっしぐらの10連勝

今季最長タイの9連勝の内容は全員が絶好調で圧倒しているわけではない。各自がそれぞれの役割をこなし、誰かがミスしても誰かがカバーする、その繰り返しの結晶だ。10連勝を目指した一戦でもそれは同じだった。

先発の伊藤将が2回に先制を許したならば打線が取り返せばいい。1点を追う3回にすぐ反撃した。

森下の安打などで1死満塁とすると小野寺がライト左へ2点適時打を放った。

「練習中にスタメンということを聞いて緊張してました。9連勝、1度も活躍することなくきていたので、ここで打ってヒーローになろうと思ってました」

7月15日以来のスタメン起用に応え勝負強さを発揮、逆転に成功した。この後さらに1死満塁から梅野の犠牲フライで1点を追加。3点を奪い試合をひっくり返した。

4回には伊藤将、近本、中野が3連打。下位から1、2番につながる得意のパターンで加点しリードを3点に広げた。

4回の守備では1死1、2塁からサードの佐藤輝とライトの森下が連続ファインプレー。連打となってもおかしくなかった打球でアウトカウントが2つ増え中盤のピンチを切り抜けた。

伊藤将は初回以外に三者凡退イニングを作れないまま5回に2点本塁打を浴び1点差に迫られはしたが、リードを保ってリリーフ陣につないだ。

4-3の6回のマウンドには桐敷が上がり2日続けてのイニング跨ぎ。3つの三振を奪い1回2/3を無失点に抑えた。

「点差は僅差でしたけど、自分のピッチング、0で抑えることを意識して投げました。自分が0に抑えれば野手の皆さんが打ってくれるので、投げやすいなと思ってます」

7回2死1塁で本塁打を放っているヤクルトの中軸・山田を打席に迎えると加治屋にスイッチ。場面を厭わず腕を振る仕事人はきっちり三振に仕留め役割を果たした。

打線はその裏に1死から小野寺、佐藤輝の連打で1、3塁のチャンスを作り、坂本のバットが欲しかった追加点を叩き出す。センター前への適時打で5-3とダメを押した。

8回は岩貞がピンチを併殺で切り抜け、9回は岩崎が締めて逃げ切りに成功。一丸野球で伸ばした連勝は16年ぶりの10に到達した。秋の気配を前に独走ムードが漂ってきた。