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春季キャンプコラム

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2023.02.28
充実のキャンプ打ち上げ
2月23日(木・祝)~2月27日(月)第6クール

2月1日からスタートしたキャンプは、いよいよ最終クールに。オープン戦も始まり、実戦モードが本格化してきた。

開幕投手へ調整順調

最終クール初日の23日(木・祝)、北谷で中日との練習試合が行われ、開幕投手筆頭候補の青柳晃洋投手が先発した。

今季実戦初登板は、2回4安打1失点。初回、先頭のブライトに一発を浴びたものの、6つのアウトのうち5つがゴロアウトと持ち味を発揮し、「スライダー、カットはこれから精度を上げていかないといけないが、それ以外のボールは問題ないし、ストレートもホームランを打たれたが高さだけの問題かなと。ランナーなしでのクイックなど、いろいろ試すことができた」とうなずいた。「いい段階で投げられていると思う」と納得の表情。昨季3冠のエースは、開幕に向け順調に調整を進めている。

24日(金)には、日本ハムとのファーム練習試合が名護で行われ、岡田彰布監督が視察に訪れた。

6回から3番手で登板したのは、一軍から出場の才木浩人投手。今キャンプ最長の4回を投げ、1安打無失点、4者連続を含む6奪三振で圧倒した。MAX154キロの直球に、昨秋から精度アップに取り組むカーブに手応え。開幕ローテーション入りへ、大きく前進した。

バットでアピールしたのは、山本泰寛内野手だ。「8番・三塁」で先発出場し、4回に左越え2ラン。「甘い球をしっかり捉えることができた。自分のやりたいことが打席でできている」と振り返り、「打撃でもっともっとアピールしないといけない立場なので、去年より一皮むけた姿を見せられるよう準備していきたい」とファームスタートからの巻き返しを誓った。

1球1球を大事に

25日(土)、4年ぶりに解禁となった鳴りものと声出しの応援が響く中、オープン戦がスタート。ヤクルトとの初戦(浦添)は投打が噛み合い、白星発進となった。

新戦力左腕2人の存在感が光る。ドラフト6位で三菱自動車岡崎から入団した富田蓮投手は、4回から2番手で登板。先頭の赤羽に内野安打を許したがその後は3人で片づけ、初の回またぎとなった5回は3者凡退に。18日に一軍昇格し、紅白戦から実戦4試合を無失点とアピールを続けている。

現役ドラフトでソフトバンクから移籍した大竹耕太郎投手は、6回から登板して3回1安打5奪三振無失点。「1球目から最後まで集中して投げられた。チェンジアップは今までの実戦より腕を振れた感覚があったし、右バッターへのインコースに関しては、見逃し三振も取れたしコースの間違いもなかった」と手応えを口に。3度の実戦登板で計9回無失点と好投し、開幕ローテーション入りを手繰り寄せたが、「目の前のバッターをしっかり抑えていくことだけなので、1球1球大事に投げていきたい」と表情は緩めない。「この3年間ぐらい一軍でほとんど投げられていないし、悔しい思いをしてきたので、今年こそはという気持ちで入団してきた。一年間、一軍の戦力として投げられるように頑張っていきたい」。新天地での飛躍を目指し、腕を振る決意だ。

プロ初の猛打賞

26日(日)の日本ハムとのオープン戦(名護)は、外国人投手陣が失点を重ね逆転負けを喫したが、打線は12安打6得点と気を吐いた。

「3番・右翼」でオープン戦初先発したドラフト1位ルーキー森下翔太外野手は、1回に右前打、2回に左前打、4回には中前打と3打席連続安打でプロ初の猛打賞。「オープン戦で1本出たことはホッとしているが、長打がまだ出ていないので。レフトのワンエラーで二塁に行けたり、ヒットを打った後でも次の塁を狙う姿勢というのはできていたと思う」と話し、「今日は左ピッチャーから打てたが、右ピッチャーからはいい当たり止まりなので、ヒット1本出して、両ピッチャーに対応できるところをアピールしたい」と課題を挙げた。

右足肉離れでファームスタートとなったが、15日の練習試合から一軍に合流し、紅白戦を含む実戦8試合で21打数8安打(打率.381)と躍動。「オープン戦でアピールして結果を残して、何とか開幕一軍でスタートできるように」と、ギアをさらに上げていく。

この試合では、3本のソロアーチが飛び出した。渡邉諒内野手が古巣相手に一発を放つと、井上広大外野手はバックスクリーン左へ対外試合3発目となる特大弾。左翼レギュラー候補のノイジーが左腰の張りで別メニュー調整の中、前日のヤクルト戦で先制2ランを放った板山と共に、井上は熾烈な外野争いに挑んでいる。原口文仁内野手も、代打ホームラン。実戦3発目と、打撃絶好調だ。

WBC日本代表の中野拓夢内野手と湯浅京己投手は、25日と26日に行われたソフトバンクとの侍ジャパン壮行試合(宮崎)に臨んだ。

中野は途中出場した25日の試合でタイムリーをマークすると、26日は「8番・遊撃」で先発出場してマルチ安打、5回からは挑戦中の二塁の守備にも就いた。湯浅は26日、同点の7回に4番手で登板。1回を無安打無失点、3者凡退に抑える好投で、勝利に貢献している。

MVPは大竹と井上

27日(月)、キャンプ最終日を迎えた。

初めて沖縄で行われた具志川でのファームキャンプは、一軍、ファーム合同の紅白戦や選手の入れ替えも。和田豊ファーム監督は「刺激になったと思うし、全員がチャンスを虎視眈々と狙っている」とその効果を語り、「帰ってから新たな勝負に入るので、競争で勝ち残れるように」と若手選手のさらなる奮起に期待を寄せた。

宜野座では、連帯歩調で最後のメニューを終えると、近本光司選手会長が円陣の中心で挨拶。関係者のサポートに感謝を述べると共に、「強いチームで一年間戦っていきます。ファンの皆さんの声援を味方に、一緒に戦っていきましょう」と語りかけ、一本締めでキャンプを打ち上げた。

岡田監督は、「最後ちょっと故障者が出たが、それまでは順調に、1カ月いい練習ができたと思う。70点ぐらいにしときます」と総括。キャンプMVPには大竹と井上を挙げ、「思った以上に大竹がいい姿を見せてくれたのは大きいし、井上は一皮むけたというか、本人も自信になったと思う。使っていきたい気持ちになりますよね」と評価した。

南国から甲子園に戻り、続いていくオープン戦。指揮官は、「徐々に実戦の中で、選手も自信をつけて、いい結果を残して。もっといい形でシーズンに入れるようにやっていきたい」と力を込める。万全の状態で開幕を迎えるために。熾烈なポジション争いは、新たなステージへと進む。