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劇的サヨナラで本拠地開幕飾る

西岡が泣いた。サヨナラ勝ちのヒーローとなり、上がったお立ち台。最初はいつも通り、冗談を飛ばしていたが、途中で涙があふれ出た。

「(スタンドにいた)両親が目に入ったので。カッコ悪かったですけど。ケガをして心配ばかりかけて、去年のオフには『辞めたい』という言葉まで言ってしまった。そのとき両親が、もう1年、ユニフォームを着てる僕を見たいと。もう1年やってダメなら考えたらと言ってくれた。チームが勝つことが一番ですけど、両親をホッとさせることができてうれしい。家族の支えがあってグラウンドに立てているので、感謝しています」

西岡の両親は甲子園の全試合を生で観戦している。時には遠征先に駆けつけることもあり、西岡が「僕の試合を見ることが、両親のいまの仕事」と言うほどだ。

8回までわずか2安打、得点は初回の江越の本塁打による1点のみに抑えられていた。流れが変わったのは9回裏、最後の攻撃だ。広島のマウンドには守護神・中崎が上がっていた。

一死後、福留の打ち損じに見えた飛球がレフトとショートの間にポトリ。ゴメスが中前打で続くと、鳥谷のボテボテの投ゴロが内野安打となり、少しそれた送球をファースト・新井が捕球できず。その間に福留の代走・荒木が同点のホームを駆け抜けた。

一死一、三塁から打席に向かう西岡に、金本監督が声を掛ける。

「チーム全体が差し込まれていたから、タイミングを早く取っていけと。2ストライクまで差し込まれてるから、人の話、聞いてんのかと思いましたけどね(笑)」

試合後、監督はそう言って笑わせたが、ここからが西岡の真骨頂だ。カウント1ボール2ストライクからの4球目をノーステップでとらえ、右中間へ運んだ。

「最後は経験を生かしてノーステップでね。タイミングが合わないときはノーステップ。さすがと言えばさすが」

監督から賛辞を贈られるバッティングでチームをサヨナラ勝ちに導いた。

金本監督は甲子園初戦に特別な思いを持っていた。

「甲子園で野球が見たい、応援したいという人もたくさんいるのでね。2安打のまま、1点で終わるわけにいかない。寒い中、お客さんが見てくれていたので、最後に盛り上がってくれて、それが一番うれしい」

巨人が敗れたため首位に立ったが、「(順位のことは)まだ何も考えていない」と監督。その思いは選手も同じだ。

「ジャイアンツに勝ち越して、きょうの甲子園初戦が大事だと、ミーティングで監督が言っていた。でも、まだ1つ。順位はまだ関係ない。最終的にチームが1位になれば最高ですけど、いま喜んでる選手は誰もいない。またあした試合があるので、しっかりやりたいです」

西岡は最後にそう言って、表情を引き締めた。