エンタメ

コラム・ブログ

TOP > エンタメ > コラム・ブログ > トラ番担当記者コラム

TORABAN Tantou Kisha ColumnCOLUMN INDEX

Vol.2011-12 新生・吉竹ファーム上々の開幕スタート


安藤優也 選手

東北、関東地方に大きな被害をもたらした東北地方太平洋沖地震から一週間後となる

3月18日(金)、阪神タイガースのファームがウエスタン・リーグの開幕を迎えた。試合前には鳴尾浜球場前で、地震で被害に遭われた方々への支援として、安藤優也投手が義援募金の活動を行った。現在右肩の故障から復活を目指す安藤投手は「今の自分で少しでも力になれることがあれば」と言う想いで参加し、開幕試合を観戦に訪れた多くのファンから協力を得た。今後もファームの主催試合で当分の間、募金活動を実施し、集められた義援金は日本赤十字社兵庫支部を通じ被災地に送られる。

またスコアボード上にはウエスタン・リーグ連盟旗、阪神タイガース、ソフトバンクホークスの球団旗が半旗で掲げられ、試合前、両チームの首脳陣、選手、スタッフ、そしてスタンドのファンと共に黙祷が行われた後、静かにプレイボールを迎えた。


安藤優也 選手

2011年のウエスタン・リーグの開幕投手は今季で3年目を迎える蕭一傑投手、立ち上がりから直球の走り、制球力共に抜群の内容を見せ、4回までノーヒットに抑え、ソフトバンク打線に付け入る隙を与えない投球を見せた。5回には2本の安打を許しピンチを迎えたが、後続を打ち取り5回を2安打無失点で先発投手としての役割を果たした。「開幕試合で投げられると言う事は光栄です。ボールがしっかりと指に掛り、コントロールも出来たので納得がいく投球が出来ました。これからも良いピッチングを続けて、今年こそは一軍のマウンドで投げたいと思います」。

打線では「1番・二塁」で先発出場した育成枠3年目の藤井宏政内野手が、初回調整目的で先発登板したソフトバンクのエース・杉内俊哉投手の初球を叩き、センター前に安打を放ち出塁、田上、清水の3連打で無死満塁とし、4番の坂克彦内野手の犠飛で先制に成功、さらに5番の野原将志内野手が右前に運ぶ適時打で2-0とした。「ファームですが杉内さんから適時打を打てて嬉しいです。この後に繋げていけたら良いなと思います。(一軍に参加した)春季キャンプでは結果を残せず、自分自身が情けなくて悔しい思いをしました。ここからまた結果を残して一軍に呼ばれるように頑張ります」。プロ野球を代表する左腕との対戦は、ファームの若トラたちにとって試金石とも言える絶好の機会となり、結果を残した選手たちは大きな自信につながるだろう。


藤井宏政 選手

試合は9回に1点を追加し3-1で開幕戦を白星で飾り、今季から就任した吉竹春樹ファーム監督にとって公式戦初勝利となった。

19日(土)の対ソフトバンク戦、前日に引き続き試合前には鳴尾浜球場前で募金活動が行われ、この日は「少しでも自分に何かできる事があれば積極的にしていきたい」と秋山拓巳投手が参加した。

この日の先発は調整登板となったジェイソン・スタンリッジ投手、6回を投げて3安打、無失点と順調な仕上がりを披露し、7回から2番手でマウンドに上がったのは今季の春季キャンプでキレ味鋭い球を披露し、一軍の首脳陣からも高い評価を得た鄭凱文投手、しかしこの日は制球力を欠き、2回を投げて5安打3失点と結果を残すことが出来なかった。「変化球がずっと同じコース(甘く)にいってしまいました。次は頑張ります」。外国人枠の関係でメッセンジャー投手と開幕一軍を争う大事な時期、次回の登板で巻き返しを図ることに期待が懸る。試合は3-3の引き分けとなった。


森田一成 選手

ウエスタン開幕カード3戦目となった20日(日)、安藤選手、秋山選手に続きこの日は蕭一傑投手が試合前に募金活動を行った。「ファンの人から協力して頂けるのが嬉しいですね。もし台湾で(同じ様な地震が)起きたらと思うと野球どころではないと思う。今できる事をしっかりとしていきたいと思います」。

調整登板となった先発の下柳剛投手は2回に本塁打を許したが、スライダー、シュート、フォークと多彩な変化球を自在に操り、直球のキレ、制球力ともに上々の内容を見せ、5回2安打1失点と今年も変わらない老獪な投球術を披露した。

この試合で大きくアピールをしたのは、春季キャンプで初めて一軍に参加し、オープン戦でも安打を放ち自信を付けた森田一成内野手。「6番・一塁」で先発出場し、この日第2打席を迎えた4回、カウント3-0から直球を狙い打ち、ものの見事に捉えてレフトのネットを揺らす今季第1号を放ち4-1とした。

また無死1、2塁のチャンスで迎えた8回には、カウント3-2から上手くバットに乗せ、左中間を破る走者一掃の2点適時二塁打、果敢に三塁を狙いタッチアウトとなったが、4打数3安打3打点の活躍を見せた。「ホームランは上手く(ボールを)押し込めました。3ボールのカウントでしたが『打て』のサインが出ましたので、思い切り打ちました」。試合は8-3で阪神タイガースが勝利、開幕3連戦は負け無しの2勝1分と、新生・吉竹ファームが上々の好スタートを切った。


野原将志 選手