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虎魂

男40歳、すべてはチームのため<後編>

今年でプロ15年目。その全ての時間を阪神タイガースの一員として過ごしてきた。2004年にドラフト自由獲得枠で指名され、キャリアをスタートさせたのは“あの”2005年だ。

「いま思い出してみても、やっぱりめちゃくちゃ強かったなあって思いますね。一番印象に残っているのは、今岡さん。あの年、147打点ですか。基本的にチャンスで回ってきたら打っているイメージでしたし、今岡さんに限らず、試合で3、4点ビハインドだったとしても、ひっくり返していたので、負けている気がしなかったですね」

レギュラーシーズンで積み上げた87個の白星のうち、1年目の能見は4つの白星を挙げたが、「全然戦力になってなかった」と振り返る。そこから14年——。日本シリーズに駒を進めた年はあったものの、能見がキャリアを積んできた月日は、チームが栄光から遠ざかっている月日と重なることになる。

「あのときと同じことを目指しているわけではないので、比べることはしないですけど、やっぱりね、まだまだやらないといけないですよ。実際あれ以来優勝できていないわけですからね」

当然だが、この男もまた優勝というゴールへの熱い想いを持っている。“最低限”ではなく、目標はあくまで上だ。

「いまはクライマックスシリーズがあるんで、3位までに入れば!という声もあると思いますけど、やっぱり優勝がしたいんですよね。3位ではダメ。優勝したいんです」

勝ちたいという欲求をもちろん、持ち続けている。それだからこそ、40歳になる年でもなお、自らを奮い立たせてマウンドに上がり続けることができるのだろう。

見た目は若いが、チームの中では言うまでもなく、“ベテラン”だ。若返りが進むチームの中で思うこともある。

「いまの若い選手はすごい真面目で、練習をものすごくするなあと思います。練習は裏切らないので、絶対成果に出てくると思うんです。あえて言うのであれば…」

男40歳、すべてはチームのためショートver<後編>終了。

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