チームのためになるならば<前編>
新しい年が始まった。長いようで短いオフの真っ只中にはあるが、1ヶ月もしない内にキャンプが始まり、また新しい戦いのシーズンがやってくる。このオフの間にも、選手たちは己を鍛え上げている。2月、まずは居場所を得るための競争に挑む。戦いはすでに始まっている。
藤川球児、39歳。長く、本当に長くチームを支え続けてきた男は今年、40歳という節目を迎える年になる。一度は海を渡り、故郷・高知でキャリアを過ごし、甲子園に戻って早5年―。年齢的な衰えなどを論じるのは失礼なほどに、彼の存在は絶対的なものであり続けている。
「(2019年シーズンは)大きな成長があったという風に思っています。数字よりも、マウンド上でピンチになったときに切り抜けられた。切り抜ける方法、術というのを感情だけではなく技術として出せる能力が、少しは身についたかも知れません」
昨年、56試合に登板し、4勝1敗。23個のホールドと、16セーブを記録し、防御率は1.77だった。客観的な数字だけをみても、衰えを感じさせない上で手応えすら口にする。「成長しないと意味がない」。気持ちは常にストイックだ。
このオフ、テレビ番組に出演した際には、『ボールをコントロールできる感覚を感じられた』という表現で自身の成長を評した。あらためて聞くと、キャリアを重ねてきたからこその熟練した投球術の一端がのぞいた。
チームのためになるならばショートver<前編>終了。
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