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虎魂

思い描いていた自分に<前編>

多くの若手が一軍の部隊で才能の片鱗を見せつけた2022年シーズン。彼もまた大きな力を示した一人である。背番号36、浜地真澄。昨年はわずか4試合にとどまっていた男は、今季に向けて強い思いを胸に、シーズンに臨んでいた。

「シーズンが始まる前には、50試合投げたいという目標を自分では持っていました。ただ、去年は4試合だけだったので、周りには言えなかったです(苦笑)。でも、自分の中では強く思っていた目標でした。なので、今年レギュラーシーズンで多くの試合に投げられたことは、改めて自信になりました」

2022年シーズンは過去の通算登板数のちょうど2倍となる、52試合に登板(レギュラーシーズンのみ)。3つの黒星を喫したものの、登板全試合でリリーフとしてマウンドに上がり、21個のホールドを記録しながら、防御率は1.14という素晴らしい数字を残した。彼の飛躍の裏にはなにがあったのか─。

「一昨年のオフに、この方向性でやっていったら良い投球ができるという自信がつきはじめていて、今年のキャンプ前にもいい練習ができたという実感がありました」

ここ3年ほど、浜地はオフにソフトバンクの千賀滉大が行っている合同自主トレに参加している。そこで動作解析などに取り組み、自身の投球に対する理解が年々深まってきていたと話す。たしかな実績がない中で、“50試合”という目標は自身の中の思いとして秘めていたが、自信は持ち始めていた。それが、今年のオフまでの話だ。

「それでいいスタートが切れたということだったら話が早いんですが、そうではなくて…。」

思い描いていた自分にショートver<前編>終了。

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