上本博紀 選手
オールスターゲームも終わり後半戦がスタートしたプロ野球、ウエスタン・リーグも27日から後半戦がスタートした。
7月22日には長崎県営野球場(ビッグNスタジアム)で「フレッシュオールスターゲーム2010」が行われた。阪神タイガースからの出場選手は、期待の大型ルーキー・秋山拓巳投手、プロ4年目の今季一軍初登板を果たした横山龍之介投手、またシーズン途中に育成枠から支配下登録に昇格を果たした森田一成内野手と田上健一外野手の計4名。
鶴 直人 選手
グラウンドに一番乗りを果たしたのは、コーチとしてフレッシュ球宴に出場する平田勝男ファーム監督。終えたばかりのウエスタン・リーグ前半戦の戦いについて伺った。「一軍もファームも何とか踏ん張って良い位置で前半戦を終えている。今年は一軍の主力、岩田、能見、安藤が故障や不調で抜けたり、野手でも赤星が抜けて金本が故障と、若手にとってチャンスのシーズンとなった。投手では鶴がローテーションに入って結果を残したり、野手では2年目で一軍初出場の上本や、育成枠から選手登録された田上が一軍に上がり、いい経験をさせてもらっている。またフレッシュ球宴から再び(支配下登録となり)二桁の背番号となった森田は、支配下選手登録されたことを喜ぶんではなく、もっともっと練習をして一軍で活躍することを目指して頑張ってほしいね」と、若手選手にとってチャンスのシーズンとなった今季、個々に力を持った選手たちが一軍で貴重な経験をしていることを挙げた。
森田一成 選手
7月20日に育成枠から支配下登録選手への変更が発表され、フレッシュ球宴で新しい「背番号69番」のユニフォームを初お披露目となった森田一成内野手は、「3番 DH」でスタメン出場。1回表に「2番センター」で先発出場の田上選手が3塁線を破る二塁打でノーアウト2、3塁のチャンスを作り、絶好の場面で第1打席を迎え、イースタン先発の楽天・戸村投手からセンターへ犠牲フライを放ち、見事先制に成功した。森田選手は試合前「普段の試合ではホームランを狙うことはないのですが、今日は投手の球に対して全てフルスイングで大きいのを狙いたいと思います」と宣言していた。2打席目、3打席目は三振に終わったが、一軍を目指すイースタンの若手選手との対戦は本当にいい経験となっただろう。
田上健一 選手
1打席目で二塁打を放った田上選手は、2打席目では弾丸ライナーのセンター前ヒットを放ち4打数2安打の活躍を見せた。「もう1本打ちたかったです。表彰台は意識しませんでしたが、途中から欲が出てしまいました」と試合後本人は納得のいかない様子だったが、
フレッシュ球宴での自信をそのままに帰ってきた後半戦前の一軍のシート打撃では、若竹竜士投手からピッチャー強襲のセンター前ヒットを放ち、一軍生き残りに大きくアピールをした。(田上選手は7月31日に下柳投手と入れ替わりファーム降格となった)
そしてこのフレッシュ球宴で注目となったのは、ともに出場する今村猛、堂林翔太(広島)らと高校時代甲子園を沸かせ、大型ルーキーとして大きな注目を浴びている秋山拓巳投手。4月から公式戦のマウンドに上がり、前半戦では10試合に登板し2勝1敗 防御率2.01と安定した成績を見せた。大きく強い身体から放たれる直球は重くそして速く、首脳陣からの期待も大きい。
試合前には「三振を狙います!」と宣言をするなど注目が集まったマウンド、ウエスタン・リーグ選抜の4番手として登板し、先頭打者に死球を与え無死で走者を出してしまったが、ここからが大物投手。続く打者を二塁フライに打ち取ると、最後の打者は三塁併殺打に打ち取り、3人で1イニングを抑えた。
また秋山投手は7月26日に東京ドームで行われた「大学日本代表VsNPBフレッシュ選抜」の出場選手に選ばれ、3回1イニングを投げ1安打無失点と年齢的には年上の大学代表メンバーを相手にナイスピッチングを披露した。「相手が年上でプロのレベルで投げられるか不安でしたが、直球も低めにうまく投げられたので通用したのだと思います」。
後半戦がスタートしたが、平田ファームの若トラが一人でも多く一軍を経験し、更なる成長への糧となることを期待したい。