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Vol.2010-14 ファーム日本選手権 悔しい逆転負けで日本一を逃す


田上健一 選手

4年ぶりとなるウエスタン・リーグ優勝を決めた阪神タイガースファームが、イースタン・リーグの覇者・千葉ロッテマリーンズと日本一の座を懸けて戦う「ファーム日本選手権」が10月2日(土)HARD OFF ECOスタジアム新潟で行われた。阪神タイガースはファーム日本選手権に通算8度出場し、4度の日本一に輝いているだけに、06年以来となる日本一に期待が懸かかる注目の一戦となった。

先発はシーズン序盤から安定した投球を見せ、ウエスタンで5勝をマークしている2年目の蕭一傑投手。立ち上がりから低めに力のあるボールを集め「ベストピッチ」と言える素晴らしい内容。7回終了時点までなんとパーフェクト投球を披露した。

打線も2回にルーキー・田上健一外野手が右中間を破る先制の適時三塁打で先制し、4回には水田圭介内野手が左前に2点適時打、続く5回は四球で出塁した上本博紀内野手がすかさず盗塁を決め、この日四番で先発出場の野原将志内野手が右前に適時打を放ち4対0と前半は完璧なタイガースペースの試合運びとなった。


水田圭介 選手

しかし蕭投手との対戦が3巡目に入り千葉ロッテ打線も徐々に慣れ始め、疲れからかボールがやや高めに浮き出した8回表、先頭の四番・細谷選手に完全試合の夢を打ち砕くだかれる左前打を許し、代打角中選手の適時打で初失点、そして四球を挟み代打金沢選手にも適時打を許し、4対3の1点差となったところでマウンドを2番手小嶋達也投手に譲った。結局7回1/3を投げ3失点(被安打3 四球1 奪三振8)と、来季以降、若手選手の底上げが期待されるタイガース投手陣にとっては収穫となった登板内容だったが、スタミナ面で課題を残したと言える。


柴田講平 選手

9回表に3番手ジェン・カイウン投手が、3本の長短打で2点を取られ逆転されたが、9回裏一死、代打野原祐也外野手が四球を選んで、1番柴田講平外野手が適時三塁打を放ち同点に追いつき延長戦となった。そして10回には地元・新潟出身で今季ウエスタン・リーグの登板数が球団新記録(50試合)となった横山龍之介投手がマウンドに上がったが、二死から死球、安打、四球で満塁となり、ベンチは石川俊介投手をマウンドに送ったが、なんとここで押し出しの死球を喫し逆転を許した。この1点が決勝点となってしまった。


横山龍之介 選手

試合後、球場を後にする平田勝男ファーム監督の目には悔し涙がにじみ出た。「本当に悔しい。所詮あそこまでの力やと言うこと。終盤にきて力の無さをまざまざと見せつけられた。恥ずかしいと思わないと。情けない。まだまだ力不足。練習が足らんと言うことや」。

勝てる試合内容だっただけに、シーズン終盤に多かった同じ様な逆転負けに悔しさを全面に出した。

先発の蕭投手は「抑えても打たれても、試合に勝たなければ…。勝ちたかった」と唇を噛み締めた。今季は始めて一軍に昇格したが、登板機会のないままファーム降格と、悔しい思いをしているだけに、ファーム日本一の栄光だけは掴みたかっただろう。


野原将志 選手

10月4日にはイースタン・リーグ、ウエスタン・リーグの9月度の月間MVPが発表され、ウエスタン・リーグは阪神タイガース野原将選手が初受賞となった。9月は全試合となる18試合に出場し、月間でリーグトップとなる26安打を記録、月間でリーグ2位となる打率.371(シーズンはリーグ2位の.303)また3本塁打、12打点と4年ぶりの阪神タイガースファーム優勝に大きく貢献した。しかし野原将選手本人は「結果はうれしいですが、まだまだ一軍に呼ばれないと言う事は自分に何かが足りないと言うことですし満足出来ていません。今年はクライマックスシリーズもありますし、フェニックスリーグで思い切りアピールして一軍に呼ばれる様に頑張ります」と、今季の目標に掲げた「一軍昇格」をシーズンの最後まで目指していくことを誓った。

若トラ達は一軍での活躍を夢見て、連日の猛練習で「心」と「体」を鍛えて、実戦でその成果を発揮出来るよう、日々レベルアップに励んでいる。