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岩崎、2勝目はつかずも7回1失点の投球

最後はヒヤヒヤさせられたが、なんとか1点差で逃げ切った。

初回、打率1割台と低空飛行の続く鳥谷が、二死から左中間への二塁打で出塁すると、ゴメス四球の後、好調・マートンが左前適時打で先制。先発・岩崎を早々と援護した。

その岩崎は、3回まで毎回、走者を出しながらも無失点に抑えていたが、4回一死から、四番・ブランコに同点弾を浴びる。

「(ブランコの)一番得意な所に投げてしまった。僕のコントロールミスです」

続く多村にもヒットを許し、DeNA打線に火がつくかと思われたが、ここで崩れないのが、並のルーキーとは違うところ。マウンドに行った藤井から「まだ同点。ランナーをためないように」とアドバイスされると、「自分を見失わないように、後続を断つことだけ考えました」との言葉通り、バルディリス、荒波を打ち取った。

岩崎は初登板より2イニング多い7回を投げ切り、6安打1失点。勝ちをつけてあげたい内容だったが、打線は得点圏に走者を進めながらも決め手を欠き、7回までに勝ち越すことができなかった。

試合が動いたのは8回。一番から始まったDeNAの攻撃を、2番手・福原が3人でピシャリと抑えると、阪神に流れが来た。先頭・大和の四球に、鳥谷がきょう2本目のヒットで続き、その後は相手バッテリーのミスが続いて3得点。“もらった”点ではあったけれど、とにかく勝ち越した。

こうなれば、9回は呉昇桓しかいない。3月29日の巨人戦(東京ドーム)以来となる、セーブの付く場面での登板だったが、3本のヒットを集められて2失点。最後はきのう2安打の金城を右飛に打ち取り、辛くも1点差で勝利した。

試合後、お立ち台に上がったのは3安打2打点のマートンだったが、勝利を呼び込んだのは、間違いなく岩崎の好投だ。

「きのうイヤな負け方をしているだけに、どうしても取りたいゲームだった。持ち味を十分発揮して、細心かつ大胆に投げてくれた。また来週もあると思います」と、次の先発を約束した和田監督。中西投手コーチも「7回1失点だから十分でしょう。次につながる」と話した。

球団史上初となる、ルーキーの初先発から2戦2勝は逃したが、「自分の投げた試合で、チームが勝ったことが一番うれしいです」と岩崎。阪神投手陣の中で、いま最も輝いている。