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4時間を超える死闘 梅野が決めた!
4時間47分に渡る死闘は、ルーキーの劇的な一振りで決着がついた。
阪神は1番に初めて荒木を起用。中日先発・山井に対し2回表ゴメスのライト線二塁打から一死3塁とした阪神は、6番今成の左前適時打で1点を先取する。「打ったのはシュート。マートンが進塁打を打って外野フライでもOKという状況を作ってくれたので、楽な気持ちで打席に立つことが出来た」と、今成亮太選手は話している。
阪神先発・藤浪は、3回裏二死2塁で3番ルナにフルカウントからの内角速球を左へ返される適時二塁打で同点とされる。
藤浪は、5回表の攻撃で一死1・2塁の好機に3バント失敗。またしても投手のバントミスが課題として浮き彫りになったその裏、二死3塁のピンチを招くが、2番岩崎のセンターへ抜けそうなライナーを遊撃・鳥谷が飛びついて捕る超美技で何とか救われた。
しかし、投球数100を超えた6回裏。一死2・3塁から6番和田の高く弾む遊ゴロで遂に勝ち越しを許す。「2点目につながった、先頭打者への四球がもったいなかった。そこが悔やまれる」。藤浪晋太郎投手は、6回(122球)3安打5三振5四死球2失点だった。
1点を追う阪神は直後の7回表 二死から鶴岡が左中間二塁打で出ると阪神ベンチは代走・田上、藤浪に代打・新井貴を起用して勝負に出る。新井貴が敬遠気味に歩くと今度は荒木の代打・関本が粘りに粘った後、変化球をライト線に運ぶ適時二塁打。田上に続いて新井貴も長駆ホームを突くが逆転は阻止された。関本賢太郎内野手は、「新井さんが歩かされた形になったので燃えていた」と話している。
中日はその裏二死満塁として、阪神3人目・安藤が与えた森野への押し出し四球で再び突き放す。 加藤からバトンを受けた安藤だが、苦しいところで際どいコースを見極められた。やや不運というか、微妙な判定に泣いた面は否めない。
敗色濃厚となった阪神は9回表 中日守護神・岩瀬に食らいつく。マートン中前安打から二死3塁として代打・新井良は敬遠。ここで坂の代打に起用された俊介が、ぼてぼての三塁ゴロで1塁にヘッドスライディングの執念を見せ、内野安打を勝ち取る。土壇場で阪神が3対3と追い付いた。
阪神は9回に福原を投入するが、その前後にはこの日一軍登録されたばかりの玉置・二神を起用した。今季初登板の玉置は8回1イニングを2三振無失点。10回から登板した6番手の二神は打者5人(1回2/3)をピシャリと締めて、高宮に繋いでいる。また、野手も遣り繰りが大変で、今成は初めてセカンドの守備に就いた。
迎えた12回表 阪神は新井良が左前安打で出ると最後に残っていた野手の代打・梅野が、中日6番手・小熊の直球をレフト中段へプロ第2号の勝ち越し2ランを放つ。さらに鳥谷の右二塁打で今季初安打(左二塁打)の走者・清水を返して6対3となった。
ベンチ入り最後の選手となった呉昇桓(オ・スンファン)が12回裏を締めて、死闘にピリオドを打つ。7人目で打者一人を抑えた高宮が、2008年以来の自身6年ぶりとなる嬉しい移籍後初勝利を飾っている。
「野手は一人しかいなかったけど、コーチからバントはないから!と言われ、思い切って自分のスイングをしよう!と…先輩たちのおかげで自分がここに立てたと思う」。ヒーローインタビューで梅野隆太郎捕手は、こう話した。
総力戦を終えた和田 豊監督は、「打線の勢いが落ちてきた中で梅野の一発は非常に大きい。全部が上手く行った訳じゃないけど、ベンチ全ての力を出して行った」闘いに満足感が漂う。9回俊介の同点内野安打、玉置・二神らのリリーバーら、特に途中から出た選手の頑張りを大いに称えていた。