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メッセンジャーが3試合連続となる完封勝利

メッセンジャーが球団の歴史に名を刻んだ。DeNA打線を3安打に抑え、9奪三振の完封勝利。これで4月29日の広島戦、5月1日の巨人戦に続いて、甲子園で3試合連続完封勝利だ。阪神では、2代目ミスタータイガースと呼ばれた村山実以来、外国人に限定すればバッキー以来。いずれも60年代に活躍した投手だから、メッセンジャーがいかに偉大な先人たちに肩を並べたかが分かる。

これまでの2試合は1対0の辛勝だったが、きょうは5回までに4点を取ってもらった。甲子園で投げるメッセンジャーには十分すぎる援護点だ。

「サイコーの気分だよ。記録はエラーになったけど、自分のバットでも点が入ったから、余計に気分がいいね」

4回、2点を先制してなお一死満塁の場面で打順が回ってくると、「とにかくヒットを打ちたい」という気持ちで打席に入った。今季はまだノーヒットなのだ。ピッチャー返しの打球は一瞬、併殺打になるかと思われたが、DeNA・モスコーソのエラーを誘い、三塁走者がホームイン。「H」のランプはつかなかったが、自らを助ける3点目となった。

完封できると思ったのはいつか?と聞かれると、「ゲームが始まる前から」と答えた。「いつも完封するつもりで投げているから」だが、自身の状態に手応えを感じていなければ、そうは思えないはず。8回一死一塁から、一軍復帰したばかりの代打・ブランコを迎えると、3球連続ボールと制球を乱したが、4球目でレフトフライに打ち取った。

「必ず打ってくると思ったので、サインを見てスライダーと決まってからは、コントロールミスをしないようにだけ考えた」

マウンド上でイライラすることも多いメッセンジャーだが、きょうは冷静だった。

「12回まで行けるくらい余力があった。左(打者)の内角をどんどん攻められていた。技術的にもメンタル的にも安定していた」と中西投手コーチ。和田監督も「打たれそうな感じがしなかった」と絶賛した。

「このようなピッチングを遠征先でもできるように、次は頑張ります」

克服すべきは、今季4敗しているビジター球場のマウンドだけ。次回登板はパ・リーグ相手の交流戦となる。きょう限りで“内弁慶”は卒業し、ビジター球場で勝って苦手意識を払しょくしたい。