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これぞ四番の仕事!ゴメスが決勝本塁打!

終盤までもつれた試合に、阪神が4番の一発でケリをつけた。

オリックスはルーキー東明がプロ初先発。その立ち上がりを攻め、阪神は右二塁打から犠打で3塁に進んだ上本を鳥谷がラッキーな右前安打で返して先制。さらに二死2塁となって5番マートンの遊撃強襲適時安打で1点を加え、20試合連続無得点だった初回に2点を刻む。

阪神先発・榎田は2回裏にヒットの坂口を背負って7番 安達に左中間適時二塁打を浴びて、大和のファンブルもあり1点入って尚も無死3塁。この後、榎田の暴投で呆気なく追い付かれる。

それでも阪神は3回表 上本ヒット、大和・犠打の一死2塁から鳥谷の右中間適時二塁打で3対2と再びリードを奪う。「打ったのはストレート。1・2番がヒット・バントと良い形で作ってくれたチャンスだったし、走者を返す事が出来て良かった」と鳥谷 敬内野手は語っている。

榎田は2回以降毎回走者を出し、苦しみながらも辛抱の投球を続けていたが、5回に平野・糸井の長短打からペーニャの内野ゴロで簡単に同点とされると、その後二死1・3塁に走者を残して2番手・鶴へバトンを渡す。鶴は変わりっぱなの初球・変化球を安達に左越えの3号3点本塁打を運ばれ、勝ち越しを許した。榎田大樹投手は4回2/3(94球)7安打4三振4四死球の5失点(自責4)。「野手の皆さんが先に点を取ってくれたのに、粘り強く投げ切れなかったことが悔しいし、チームに申し訳ない」と頭を下げている。

6対3と逆転したオリックスは磐石のリリーフ陣で逃げ込みを図るが、6回表 阪神は敵失と今成のヒット等でオリックス3人目・比嘉から好機を演出。坂・内野ゴロの間に1点を返した後、代打・新井貴浩内野手が起死回生の2号同点2ランをレフトへ打ち込んだ。「打ったのはスライダー。どんどん行こう!と考えていた。(同点打になったという意味で)いい本塁打になってよかった」と声を弾ませる。

阪神も中継ぎ陣を惜しげなく注ぎ込む。7回裏3番手・加藤がT-岡田の二塁打から一死1・3塁とされるとベンチは安藤にスイッチ。「フクさん(福原)がいないからね!でも7回は(本来自分の)持ち場。ゴロアウト欲しいところだったので…!」と振り返ったように安達・伊藤を内野ゴロで仕留め、安藤優也投手が窮地を救う。安藤は続く8回二死2塁のピンチも糸井・敬遠、T-岡田・空振り三振で堪えた。

迎えた9回表二死。ここまでボール球に引っ掛かるなど4打数無安打2三振と全く合っていなかった4番ゴメスが、オリックス5人目・佐藤達の真っ直ぐをレフト上層階までぶちこむ特大の8号ソロ本塁打を放ち、阪神に勝ち越し点が入った。その裏を呉昇桓(オ・スンファン)が締めて、7対6で阪神が際どく接戦をモノにする。

「真っ直ぐを芯で完璧に捉えられたと思う。それまでは、振ってはいけないボール球に手を出してしまっていた。あの打席ではボールを見逃せていたし、落ち着いて待つ事が出来た」。見事ベンチの期待に応えたマウロ・ゴメス内野手が、冷静に決勝アーチを振り返る。

「アレが4番の仕事やな! 道中は色々あるけど、決めるところでアレしかない!という当り。(全体の流れを見たら)その前の新井の一発が大きかった。初回2点取ったのも久しぶりなら2ケタ安打(12)も…上本が出る事で、大和はいろんな仕事が出来て、トリも生きて来た」。生き返った打線に確かな手応えを口にしながら、和田 豊監督も苦しみ抜いての1勝を噛み締めているようだった。