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明暗を分けた6回の攻防
6回の攻防が明暗を分けた。
打撃絶好調の東京ヤクルトが先手を取る。2回裏 阪神先発・岩田は、先頭5番 雄平の左二塁打・6番 畠山 中前適時安打であっさり失点。更に二死満塁から2番 谷内へ押し出し死球を与え2点のリードを許す。岩田はいつもより変化球が高めに入って本来の攻める投球が出来ない。3回にもバレンティンに内角球をセンター左へ特大の23号ソロを叩き込まれて、序盤は完全なヤクルトペースで進んだ。
東京ヤクルト先発・石山に一回りは完璧に抑えられた阪神打線は、4回表一死から今成・鳥谷の連打とゴメス・四球で満塁として5番マートンの中犠飛で1点を返す。5回にも伊藤隼・梅野の長短打から一死2・3塁となり1・2番 上本の右犠飛、今成の中前適時安打で3対3のタイに追い付いた。ヤクルト石山はこの回限り、5回(78球)5安打3失点で降板している。
同点打の今成亮太選手は次のように振り返る。「早い段階で追いついておきたい!という気持ちで打席に入った。(三ゴロを内野安打にするなど)守備で岩田さんに迷惑をかけてしまったので、何とか取り返したかった」。
6回表 ヤクルト2番手・松岡を安打・四球で無死1・2塁と攻めた阪神だが、6番 福留はニゴロ併殺打に倒れて勝ち越せない。するとその裏、岩田が1番 山田に右中間へ適時二塁打を浴びて、再びヤクルトにリードを許す。尚も一死1・2塁で3番 川端にレフトオーバーの2点適時二塁打を許して6対3となったところでノックアウト。代わった建山も雄平に右前適時打を浴びるなど一挙4点のビハインドとなった。
岩田 稔投手は5回1/3(108球)11安打7三振3四死球で今季ワーストの7失点。「今日打たれたボールは全て高目に集まり、決め球が甘く入ってしまった。同点に追いついてもらっただけに、何とか粘りたかったが、粘り切ることが出来なかった」と肩を落とす。
7回からは小嶋と入れ替えで一軍登録されたばかりの左腕・高宮が5月20日以来の登板。走者を背負いながらも2イニングを2安打無失点で凌いだが、ヤクルトも松岡 - 久古 - 木谷 とリリーバーを繋いで8回までしっかりとリードを保つ。
それでも9回表 阪神は伊藤隼のヒット、代打・新井貴の四球で無死1・2塁とすると、ヤクルトは木谷からバーネットへスイッチ。代打・関本は151Km/h直球に空振り三振も1番 上本が粘って四球を選んで一死満塁となり、今成は三塁線突破の2点適時二塁打を放った。鳥谷の遊ゴロで1点差の二死1・3塁。4番ゴメスに期待をかけたが、最後はスライダーを空振り三振に倒れて万事休す。7対6まで追い上げた阪神は、一歩及ばなかった。「準備はしていたけど、あそこは相手が上回ったと言うこと」。悔しい気持ちを圧し殺しながら、マウロ・ゴメス内野手は最後の場面を振り返っている。
「(あのまま7対3で終わるのとは)全然違うよ」。和田 豊監督は最終回の反撃を評価しながらもディフェンスに言及。「やはり、回の先頭をどう取って行くか?だ!」と話して、7戦連続2ケタ安打のヤクルト打線封じに頭を悩ませる。決して失投ばかりを打たれた訳ではなかった。「向こうの打線が良いのは判ってるけど、それにしても…配球を読まれてる気がする」。好打者が揃う燕打線は一筋縄ではいかない。次戦は若い歳内に先発を託すだけに、配球を洗い直す事も示唆していた。