FlashPlayerのバージョンが低いか、インストールされていません。
前田健相手に完封負け…連勝は4でストップ
大惨事となった広島豪雨災害にナインは喪章を着用。半旗が掲げられ、試合前には黙祷、応援も鳴り物無しという特別な雰囲気の中で行われた試合だった。地元カープは言うまでもないが、福原・新井兄弟・上本…広島県出身選手が多い阪神もまた厳粛な気持ちで臨む。
先手は広島。初回、阪神先発・藤浪の立ち上がりを攻めて二死１・３塁から一軍復帰したばかりの５番 松山に中前適時安打を許し、先取点を奪われる。３回裏にも二死から丸・二塁打とキラ・四球で１・２塁と走者を背負って、またも松山にフォークボールを上手く打たれて中越えに２点適時二塁打を浴びてしまう。直球は悪くないものの、ツーシーム・カットボールなど変化球の抜け球が目立つ序盤の内容だった。
広島先発・前田は１回表いきなり上本に死球をぶつけるが、内外角を広く使って後続を押さえ込む。直球の走りは勿論、変化球の切れも良く、序盤は猛虎打線をノーヒットに封じた。
３点を追う阪神は４回表漸く先頭 鳥谷がチーム初ヒットとなる遊撃内野安打で出塁するが、ゴメスは変化球を振らされての三振にバットを叩きつけ、続くマートンもストライク・ボールの判定で球審に激しく詰め寄り首脳陣が止めに入るなど、思うように行かない内容にチーム全体のイライラが募って行く。 逆にこの後二死１・３塁を脱した前田は次第に調子を上げて、５回には梅野・藤浪・上本を３者三振に斬って完全に波に乗る。
藤浪は５回裏、またしてもクリンナップに掴まる。一死１塁にヒットの丸を背負って４番 キラに右中間適時二塁打を浴びて、重い４点目を献上した。藤浪晋太郎投手は、結局５回（９６球)を投げて６安打４三振４四死球の４失点で降板。「今日は要所で相手打者に上手く合わされてしまった。この反省を次回の登板にしっかりと生かしたい。また、中継ぎ陣にも負担を掛けてしまい申し訳ない」と唇を噛んでいた。
６回には左肩違和感から一軍復帰した榎田が登板するが、８番 會澤にライトスタンドへ８号ソロ本塁打を放り込まれ、決定的な５点目を取られる。ただ、球そのものは決して悪くなく、頼れるセットアップ左腕の復活で今後のブルペン陣に光明が差し込んだと言えそうだ。
大差がついて余裕のマエケンに対して阪神は７回表に６番 福留が中前安打を放つも、後が続かない。８回には上本・中前安打、今成・左前安打と初めて連打で一死１・２塁のチャンスを作ったが鳥谷・ゴメスが凡退して、どうしても得点出来ない。ゴメスは１打席目に内角攻めされた影響か？４三振を喫する厄日となった。
いわゆる敗戦処理となったリリーフ陣だが、７回に投げた３番手の筒井は小気味良い投球でカープ唯一の３者凡退イニングを作る。しかし、８回４人目・玉置がヒット２本＆盗塁で一死１・３塁のピンチを招き、二死後 痛恨のボークをとられて６点目を許してしまった。
９回表 阪神は四球と伊藤隼の右二塁打で一死２・３塁と前田に迫るが、代打の新井貴・関本が倒れて、６対０で広島の完勝。エース前田は最後まで投げきって １３９球 ５安打１２三振４四死球で今季初完投で完封！１０勝目を飾った。ヒーローインタビューで前田健太投手は、「土砂災害に遭われた方から『今の楽しみはカープが勝つことだけ』とメールを頂いた！」と話して、被災者へ温かいメッセージを届けている。
敗れた阪神は４連勝でストップ。カードの連続初戦白星も６で止まった。「マエケンは最初から飛ばして、最後まで落ちなかった。本来の出来だったけど、こういう時にこそ打てないと…。（藤浪については）結局左打者にやられている。スピードガンは（そこそこの数字が）出てるけど、本来のキレではなかったね。（ゴメスやマートンがイラ立つ姿を見せてしまって）今日は平常心で野球が出来なかった。明日は能見らしい投球を期待したい！」。和田 豊監督は、次の勝利に目を向けていた。
