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49歳山本昌の投球術に翻弄される

伝説の左腕に翻弄された。

49歳と25日。今季初登板となった中日の球界最年長サウスポー山本昌に対して、6番 新井貴 7番 狩野ら右打者をスタメンに並べた阪神は初回、中前安打&盗塁の1番 上本を大和が送り、一死3塁の先制機を迎えるが、鳥谷のニゴロで本塁突入した上本が憤死してチャンスを逃す。この後も毎回走者を出してベテランを揺さぶるも、なかなか返せない展開となる。

山本昌は、5回(90球)を投げて、5安打2三振1四球無失点。絶妙なコントロールで打たせて取る健在の芸術的投球を見せて、史上最年長勝利を若いリリーフ陣に託している。

阪神先発・能見は抜群の立ち上がりで序盤一回りを抑えるが、4回裏1安打2四球で二死満塁となり、6番 藤井の中前2点適時安打で先制を許した。この回 3番 ルナから空振り三振を取り、通算1000奪三振となったが、イニング終了時 手渡された記念の花束にも複雑な表情だ。

能見は5回のピンチを逃れたが、6回には平田・森野の連打から無死満塁とされて、代打・小笠原に右前適時安打を浴びたところで降板となった。この後リリーフした歳内が押し出し四球で更に追加点を許し、能見は5回3分の0(102球)6安打3三振4四球4失点。

阪神は6回表 敵失で出たゴメスをマートンが右前安打で進めて無死1・2塁の好機だったが、新井貴が中日2人目・祖父江に空振り三振。代打・今成と鶴岡も倒れて反撃のチャンスを逸する。

苦しくなった阪神だが、7回裏も3番手・筒井が捕まり、森野の左適時二塁打などで決定的な2点を失う。結局 6対0と一方的なスコアで中日の軍門に下った。

通算219勝目の今季初白星で64年振りに日本プロ野球最年長勝利記録を更新する金字塔を打ち立てた山本昌投手は、「しつこい性格なので、希望を持って調整して来た。とにかく試合を壊さないように!とアタマに入れて投げた」と振り返る。

「緩いカーブで相当緩急がついていた。なかなか点が取れない中で、こちらが焦って打って行ってしまった」。和田 豊監督も、最年長サウスポーにお手上げの様子だった。