- 2017.3.29
- 緊張する?しない?
いよいよ2日後に迫った開幕を前に、一軍メンバーは京セラドーム大阪で全体練習を行いました。
オリックスからFA移籍し、阪神1年目のシーズンを迎える糸井嘉男外野手は、「初めてのセ・リーグでのスタートになるので、たぶん緊張するでしょう」と神妙な表情を見せた後、「せんかもしれんけど」とニヤリ。「開幕戦は、誰でも多少興奮するし、緊張もある」としながらも、「143試合あるうちの1試合なので」と落ち着いて臨む構えです。
開幕戦の相手、広島の先発はジョンソン。昨季は15勝を挙げ、沢村賞を獲得した強敵です。「めっちゃいい投手。去年の日本シリーズを見ていても思った。攻略は簡単じゃないけど、何とか結果を残したい」。初球から振っていくつもりかと報道陣に問われると、「好球必打が必要になってくる。簡単じゃないけど、ちゃんと見極めて、勝てるように頑張ります。(ヒット)1本出したい」と気合いを込めました。
練習中の糸井の動きを、「あんまり見てない。信頼しているから」と金本知憲監督。「チャンスに打って、走って、守って、すべてに期待している」と多くの望みを託します。
金本監督自身も、2003年に広島から阪神へFA移籍。1年目の開幕戦(3月28日の横浜戦)を振り返り、「緊張したね。ハマスタで3の0(3打数無安打)で、この世の終わりのような気がした」と苦笑いを浮かべます。「開幕からバチバチやるに越したことはないけど、例えダメでも関係ない。ダメな時には、1/143と思えばいいんだから」。変わらぬ信頼感を示しました。
今季、守護神を務めることになったラファエル・ドリス投手は、開幕を直前に控え「準備はできている」とキッパリ。「九回を任されるのは光栄なことだけど、やることは変わらないから。任されたところで、しっかりやるだけだよ」と気負いはありません。
阪神における外国人投手のシーズンセーブ記録は、2015年に呉昇桓投手が挙げた41セーブ。この記録に迫る活躍に期待がかかりますが、「1年間活躍することが一番大事。その中で、記録を塗り替えられるのはいいことだけど、あまり意識していない」と数字にこだわりは見せません。「勝っている状況で投げると思うので、チームが勝つことが自分のセーブにつながる。お互いが良くなるように」。チームの勝利を目指せば、自ずとセーブもついてくる。守護神の口から、頼もしい言葉が発せられます。
来日1年目の昨季は、34試合に登板して3勝3敗8セーブ、防御率2.12の成績を残すも、右肘痛を発症して7月31日に出場選手登録を抹消。その後、一軍に復帰することはできませんでした。「去年は悔しい思いをしたので、今年は1年間仕事をしたいし、何とか活躍できるように」。10月の右肘手術から復活し、春季キャンプ中の再入団テストを経て臨む、2年目のシーズン。マウンドを守り抜き、勝利の瞬間を迎えます。
開幕一軍登録選手が発表され、新人では唯一、糸原健斗内野手(ドラフト5位・JX-ENEOS)がメンバー入りを果たしました。オープン戦は17試合に出場し、打率.303、4打点と勝負強い打撃でアピール。守備では二塁、三塁、遊撃をこなし、ユーティリティーぶりを発揮しています。金本監督は「体はできているし、動けるし、振る力もある。形さえ整えば十分戦力になる」と高く評価しており、この日の打撃練習でも直接指導を行いました。即戦力の期待を背負い、プロとしての第一歩を踏み出します。