- 2017.3.28
- 最高の準備で開幕へ
WBCに出場した藤浪晋太郎投手が、ウエスタン・リーグのオリックス戦(鳴尾浜)に先発。23日に帰国してから初の実戦、そして開幕前最後となる登板に臨みました。
WBCでは、1次ラウンドの中国戦で2イニングを投げたのみ。2次ラウンド以降は登板機会がなく、実戦不足は否めません。試合勘と、WBC球からNPBの統一球へとボールが戻ることへの順応が不安視されましたが、藤浪はそんな心配を一蹴する好投を見せました。
6回、98球を投げ、1安打6奪三振、無失点。二塁内野安打1本のみに抑え、無四球と課題の制球面でも安定感を発揮します。
「シーズンまで1試合しかなかったので、いろいろなことをやろうと思った。統一球になって、変化球の曲がり方も違うので、その確認とか。いい面も悪い面もあったが、いろいろしっかり確認できた。変化球をうまく使えて、四死球も少なかったですし。バッターとの実戦感覚がなかったので、投げられたことがそもそも収穫です」
「久々のマウンドで入りが難しかったので、慎重に投げました」と、立ち上がりはカットボールなど変化球主体の投球。「変化球でカウントを取れたこと」に、手応えを得たようです。中盤以降は直球を増やし、「球威のあるところも自分の魅力。両方をうまく使い分けられれば」。緩急への意識を口にしました。
バッテリーを組んだ梅野隆太郎捕手も、「緩急を大事にしないといけないことに気づいて、チャレンジしてるみたいですね」。「変化球でストライクをとって、その上で力強いボールを投げられていた」と、収穫を感じ取っています。
視察した金本知憲監督は、「いけそうやね、開幕は」と一安心した様子。変化球主体の投球には、「もっと真っすぐで押してほしいピッチャーだけど」とした上で、「考えるところがあるんだろうし、真っすぐを活かすためにまず変化球を覚えようとしているのかもしれないし」と話しました。
「変化球でもストライクがとれたし、四球もなかった。そういった意味では良かったんじゃないかな」と評した香田勲男投手コーチは、「今のところ、WBCから帰ってきて問題は感じられない。我々の思ったところで投げてもらおうと思います」。予定どおり、4月4日のヤクルト戦(京セラドーム大阪)が今季初登板となることを示唆しました。
1週間後の本番までに、香田コーチが求めるのは「真っすぐの質の向上」。「力のある真っすぐ、空振りを取れる真っすぐでカウントを取れたら、もっといい。その微調整をしてくれれば」と注文をつけます。
「まだまだ反省するところはたくさんある」と藤浪。「ベストの状態ではないけど、今できる最高の準備はしてきたつもり。残り1週間、何とか状態を上げていきたい」と力を込めました。
昨年は、入団4年目にして初めて2桁勝利を逃すなど、悔しさあふれる一年に。真のエースへと成長すべき新しいシーズンが、まもなく始まります。
試合は、二回に陽川のソロ本塁打と緒方の適時打でオリックス先発・ディクソンから挙げた2点を、藤浪以降、山本、伊藤和、メンデスの継投で守り切り、2-0で阪神が完封勝利を収めました。