新生・和田タイガースのキャッチフレーズは「Go for the Top 熱くなれ！！」。27年間縦縞に袖を通し続けてきた和田監督は人一倍熱く、心の底からチームの勝利を欲している。そんな熱さがチームにも浸透し、チームの一体感は強まってきた。

タイガースが目指す野球は基本的にこれまで同様、投手を中心とした守備力と、機動力を絡めた効率的な攻撃が軸。少ないチャンスでいかに効率的に「1点」を奪うかという戦略に注目したい。とはいえ、今年は復活が期待される金本選手や城島選手、ブラゼル選手に新井選手と実績ある重量級のスラッガーが打線に並ぶ。しかしそんな彼らの一発に頼るのではなく、機動力や細かい作戦でより得点が入りやすいお膳立てを整え、主力がランナーを還すという形が理想になるだろう。

予想される打順は1、2、3番は、平野、柴田（大和）、鳥谷。出塁率の高い鳥谷選手1番の構想もあったが、クリーンアップとしての鳥谷選手の勝負強さと、後ろへつなぐ能力を生かすには、3番のほうがフィットしているのではないか。4、5、6番に予想されるのは新井、ブラゼル（城島）、金本というスラッガー。マートン選手不在でブラゼル選手をライトに回し、城島選手と併用という選択肢もあるが、まず開幕では守備面を重視した布陣で臨むことになるだろう。7、8番には伊藤隼、藤井。開幕に合わせるように調子を上げてきた伊藤選手が開幕スタメンに名を連ねれば、ルーキーとしては2004年の鳥谷選手以来8年ぶりのこととなる。いずれにせよマートン選手が戦列に復帰してくれば、センターの柴田選手も含め、大和選手、俊介選手らと外野の一枠を争っていくことになる。

27年間、様々なタイプの監督のもとで戦ってきた和田監督の経験は大きな武器。戦術や選手起用に関しては、一見、堅実でセオリーに忠実なイメージもあるが、時には奇襲やギャンブルがあるかもしれない。様々なオプションを用意して柔軟に対応していくだろう。開幕直前のメジャー2球団とのプレシーズンマッチでは、金本選手やブラゼル選手、新井選手、城島選手が揃って打ち、そして柴田選手、伊藤選手が打って走って2連勝。プレシーズンを理想的な勝利で締めくくって開幕を迎えることになった。今シーズンも一喜一憂、そして最後には歓喜。和田タイガースの躍進に期待したい。