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最大7点リードするもまさかの展開に

DeNAの一発攻勢に遭って最大7点リードを守れなかった阪神が、サヨナラでショックの大逆転負け。再び自力優勝の可能性が消え、巨人に『M30』が出た。

横浜DeNA三浦に立ち上がり完璧に抑えられていた阪神だが、3回表 藤井彰の二塁打(チーム初安打)から二死満塁の好機を作り3番鳥谷がレフトフェンス直撃の2点適時二塁打で先制すると、再び満塁から新井貴の走者一掃左中間二塁打、福留・藤井彰にも適時打が生まれて打者12人攻撃で一気に7点をリードする。

先制打の鳥谷 敬内野手は「ストレートを上手く打ち返すことが出来た」と話し、新井貴浩内野手は「打ったのはスライダー。ランディーが投げる時はなかなか点が取れていなかったので何とか取りたかった!」と白い歯をこぼした。また、福留孝介外野手が「打ったのはフォーク。新井さんが作ってくれたいい流れに乗れた」、藤井彰人捕手も「みんなが作ってくれた勢いに乗ることが出来た」と話すなど打線の繋がりを示すコメントも特徴的だ。

初回から走者を許すなど不安定だった阪神先発・メッセンジャーは、その裏3番モーガンに左中間へ10号2ラン、4番ブランコの代役・後藤にも右への一発を喰らって3点を失い、荒れ模様の展開となる。阪神が一死満塁を逃した直後の4回裏には8番鶴岡一の左中間適時二塁打と最近本塁打量産中だった1番梶谷にもライトへ9号2ランを浴びて、あっという間に1点差。まさかのノックアウト!となった。

ランディ・メッセンジャー投手は、3回1/3を投げて7安打3本塁打を浴びて6失点。「序盤から大量援護をもらいながら、ホームランでやられてしまった」と肩を落としている。

代わった筒井もDeNAの勢いを止められず、モーガンにレフト線適時二塁打で同点。金城の勝ち越し右前適時打でとうとう8対7と逆転されてしまった。

それでも、阪神は6回表DeNA加賀を攻め、新井貴の中前適時打でしぶとく同点に追い付く。

阪神は5回から3人目・久保が2イニングを抑え、7回からは2年目・松田にマウンドを託した。松田は8回二死、DeNA多村にあわや勝ち越しアーチのライトフェンス上段に当たる三塁打を許し、続く絶好調・梶谷を敬遠するが、2番山崎を内角直球で見逃し三振に仕留めて見事ピンチ脱出。デビュー以来15試合連続無失点と記録を伸ばした。

阪神は9回表二死1・2塁もDeNA大田の前に鳥谷が見逃し三振に倒れて勝ち越せず、その裏登板した安藤は先頭モーガンのヒットから一死1・2塁とサヨナラのピンチを迎える。そして、フルカウントで代打・中村に左中間へサヨナラ安打を浴びて、9対8でDeNAの勝利。阪神には悪夢のエンディングとなってしまった。

「いやぁ~凄い試合でしたね!まさか7対0から引っくり返せるとは思ってなかったので…」。DeNA中村紀洋内野手もヒーローインタビューで首をひねった不思議なゲーム。

「メッセンジャーは真っ直ぐにキレがなく、変化球も高かった。ライトに強い風が吹いていて、それを利用されたかな。これが野球と言えば、それまでなんだけど…」。

試合後、阪神・和田 豊監督は力なく振り返った。「それでも、松田は堂々としていた。しっかり投げた!」と2年目のホープを絶賛。痛すぎる1敗だが、希望だけは最後まで絶対に捨てないのだ。