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TORABAN Tantou Kisha ColumnCOLUMN INDEX

Vol.2011-3 見えた!真弓V構想・・・『裏オモテ』なく、相手が嫌がる野球を!!

最高落札額は、自らの『戦闘服』だった。「来年こそは、美酒を浴びたタテジマを!」・・・その時、指揮官の胸を3年目に懸ける熱い思いがよぎった。

1月16日(日)非常に強い寒気が流れ込んで、東京都心が-1.1℃、名古屋-2.9℃、大阪・福岡も-2.2℃と軒並み氷点下の厳しい冷え込みとなった日本列島。兵庫県尼崎市の自動車展示場では、新春恒例チャリティーオークション&サイン会が開催されていた。

このイベントは1978年に始まった言わば虎の伝統行事で、真弓明信監督も現役時代から述べ20回以上オークションに出品して来た歴史がある。今年は真弓監督に加え、7年振りで古巣に帰って来た藪恵壹ファーム投手コーチや渡辺亮投手ら5選手も参加。野球ファンの方の協力もあって、売上げ金総額134万1180円が交通遺児の為に役立てられる事となった。因みに最高金額がついたのは、昨季着用した真弓監督のユニフォーム(ホーム・サイン入り)。落札額は8万5千円である。


金本知憲 選手

その舞台裏で記者団に囲まれた指揮官が、今季の戦い方について幾つか具体的なヒントを明かしている。沖縄で2月中旬に行われる北海道日本ハムとの練習試合には注目のルーキー斉藤佑樹投手が登板して来る可能性もあるが、「(梨田監督も)それはまだ今のところ決められないと思う。体調とかもあるし・・・」現時点ではお互いに約束出来ない事のようだ。「(阪神の方は)若い人が投げると思う。(故障明けとなる岩田に関しては)そんだけ早く仕上げる必要あるか?(ルーキークラスでは・・・)これも一緒。榎田も去年の最後の方(アジア大会)まで投げてるし、その辺の調子見ながら」慌てずに使って行きたいとする。

右肩と左ヒザにそれぞれ不安を持つ金本知憲外野手と城島健司捕手は、宜野座と安芸に分かれてキャンプインを迎える事になりそうだ。「(沖縄スタートの金本は)別メニューになるのはしょうがない。一緒に出来るところは一緒にやってもらえればイイが、自分のペースで仕上げてもらえればイイし、城島は(普通に練習が)出来るとしても、慌てない方がイイという判断で、じっくり安芸でやってもらう」。また、安藤優也(右肩痛リハビリ中)、岩田稔(昨春左ヒジ手術)両投手については、宜野座キャンプへの振り分けが既定路線のようだ。


岩田 稔 選手

そして、開幕投手の話題へ移り、選定の条件を上げた。「一年間ローテーションをしっかり守ってくれる人。それに経験と実績といろんな事を考えて決めて行くと思う。(オープン戦中盤位までには候補者を)ある程度何人かに絞っていかないと・・・(シーズン前)最後の調整も考えて。1~2日(程度のズレ)はイイけどね」。

今季の先発ローテに関しては、相当の自信を示す。「あまり、裏表ないようなローテーションを組めるんじゃないか?と、今年は・・・能見とか久保の他にもしっかりローテーションを守ってくれる投手が出て来てくれると思ってる」。これまでのデータから、例えば能見篤史投手なら巨人・中日に強く、ヤクルトは苦手・・・と言った相性を考えて起用する事には、やや否定的だ。「オレの考え方としては、相性が悪ければ何とかして克服する。投手としてはあるかもしれないが、何ヶ月かで克服してもらいたい」。主力だからこそ苦手は作るな!乗り越えて欲しい!と、切に願っている。


渡辺 亮 選手

「勿論イイ投手からと言う様にどんどん投げさせて行くと、結果的に(ローテの)表・裏が出来てしまうかもしれない。(だから)左右のバランスも色々考えて・・・自分とこの事だけじゃなく、相手がどうすれば嫌がるか?(を考慮すれば複数)ローテーションの中に左の投手は入って来ると思う。(基本的には)相手の事より自分のチームの方を重視するけど」・・・昨季のようにスポーツ紙の先発予想がほとんど外れないようでは戦略的に不都合である事から、これまで以上に多くの要素を取り入れて行く方針だ。とは言っても、やはり根本はオーソドックス。あくまでも『王道』を歩む事に変わりはない。

オークションに参加した選手たちも今季への抱負を語った。貴重なセットアップとしてブルペンを支える渡辺亮投手は、現在、鳴尾浜と甲子園で進行中の自主トレについて「順調です。遠投もやってて、70m位。キャンプまでに立ち投げでブルペンに2~3回入れれば・・・」と手応えを口にする。昨季は61試合に登板して、2勝2敗10HP 防御率2.65。「(シーズンが)終わってすぐ病院で検査して、特に異常ないと。その後は疲れを取りながら、完全に休むのでなく、動きながら維持する」ようなカタチでオフを過ごして来た。


筒井和也 選手

ここに来て、球団が小林宏之投手(千葉ロッテから海外FA権行使)獲得に動いている事が盛んに報道されているが、同じ右の中継ぎでポジションが被るライバルともなり、「そうですね。仕事無くなりますね」と苦笑いを浮かべる。選手としては当たり前の感情とも言えるが、それでも渡辺には自負があった。「毎年(競争相手は多く)厳しいけど、その中で一応4年間やって来たので、その経験を生かして頑張れたらイイ」。

今季の目標は、「今のところ4年連続45試合は(セットアップの登板数としてはチームで)ボクしかいないので、最低そのライン。一年間一軍にいる事が前提だが、ずっといれば多分(45試合以上)投げていると思う。防御率は最低2点台」に設定している。キャンプでは、例年通り連日ブルペンで投球する予定だ。「毎日入ったら、それなりにアピールになる。出来るだけ休まないで入りたい!」。どんな場面でも動じない精神は健在。6年目も期待出来そうだ。

昨季は一軍・ファームを行ったり来たり。0勝2敗2HP 防御率6.65と不本意に終わった筒井和也投手は、今季から採用される統一球を「秋季キャンプで投げたけど、投げにくさよりは『飛ばないんじゃないのかな?』というのがあるんで、プラスに考えればイイかと」前向きに捉えている。「(キャンプ)初日からしっかりブルペンで投げられるように」準備は着々と進んでいるが、「去年ダメだったので、真っ直ぐにせよ、変化球にせよ、上の方目指していかないと。特に真っ直ぐをしっかり高めて行きたい」と話す。


藤川俊介 選手

プロ2年目からずっと恒例になっている三重県津市の医療施設での自主トレにも1月9日~14日の日程で行って来た。「股関節とか背中とか、少しずつ徐々に硬くなって来ている。年齢的にもしっかりケアして、トレーニングしないといけない」。プロ8年目。今年秋には、満30歳となる。中堅の域に入ってすっかり風格が漂う左腕には、積み重ねを結果で証明したい思いがみなぎっていた。

2年目にレギュラー獲りを懸ける俊介(藤川俊介)外野手は、九州から15日に帰って来たばかり。左ヒザ手術後リハビリ中の城島を慕い集まった球団、競技の枠を越えたメンバー(女子ゴルファーらも参加)で行われた長崎県佐世保市での合同自主トレは、「少し寒かったのでマシンとかは打てなかった。メインは走ったり、トレーニング系」だった。「長崎で(自主トレを)やって結構走り込んで来たので、良いオフ過ごしたかな?坂道ダッシュとか、坂道から階段上るダッシュとか・・・相当きつかったッス」。体幹強化などのメニューに取り組む中で、城島からは捕手の立場も含めた打撃指南も受けて来たらしい。『実戦向き』と言われる俊介に対し、「今まで通り、自分の思う通りやって行けばイイ」と大先輩がアドバイスしてくれた。

新春テレビ出演した際、真弓監督は現時点での構想として俊介を開幕メンバーに入れていたが、「そう言ってもらえるのは有難い事だけど、あくまで予想なので、それを確かなものにする為にやって行きたい。(ライバルは多いがアピールすべきは)今まで通り足と守備。(その上で)キャンプでちゃんと打たないと・・・。打たないとレギュラーはないと思うので」打撃力をしっかり上げる事が最大の課題となる。「実戦もそうだが、練習からどんどんアピール」していく俊介が今季どこまで伸びるか?に、チームの浮沈もかかっている。