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TORABAN Tantou Kisha ColumnCOLUMN INDEX

Vol.2011-5 あの大物も来~た?キャンプ直前 最強カードで『V』注入!


小林宏之 選手 & 真弓明信監督

茶髪が、黒に変わっていた。トレードマークだった奇抜なヘアスタイルを封印。もう、そんな事で目立たなくてもイイ!・・・「楽しみですね!これからたくさん新しい経験出来ると思うんで、いろいろ勉強しながらやって行きたい」。新天地での活躍に思いを馳せ胸が高鳴る。心はすっかり猛虎の一員となっていた。

1月28日(金)大阪市内のホテルで、千葉ロッテからFA宣言していた小林宏之投手(32)の入団記者会見が行われた。沼沢正二球団本部長と真弓明信監督も出席して正式契約。キャンプを数日後に控える猛虎にとって、今季の戦いにおける最高に力強い補強を完了した事を示す、希望溢れるめでたいお披露目である。

登録名は『小林宏』(こばやしひろ)。「ロッテ時代からこうしてるし、スコアボードに小林だけだと違和感あるなと思うし、ファンのみんなに判りやすい」からと自ら申し出た。「今まで14年間『41』つけてプレーして来たので、凄い感謝しています」。背番号41は、上園啓史投手から譲り受けるカタチになるが、その上園は新たに『47』をつけ、白仁田寛和投手が『47』から『64』に変更する事になった。


真弓明信 監督

真弓監督は、満足そうだった。「調整は、タイガースの練習とは違うかもしれないが、今まで長くやって来てるし、自分のペースでやってくれれば・・・。去年(日本シリーズまで)かなり投げてるのがあるので」その分大事にリフレッシュしながら、じっくり体を作り直して欲しい希望がある。「(沖縄キャンプで)もし、入れ込み過ぎたり・・・が見えたら言って行こうかと思う。実戦はオープン戦でもイイんじゃないか?と思ってる」。

猛虎で託された役割は極めて明確。「試合の後半で球児に繋ぐところ」のセットアップだ。「去年は、勝ってても負けてても西村、渡辺はかなり投げてるので、その辺の役割分担をハッキリすれば(一人一人の負担も軽くなる)。一人(小林宏が)入った事でみんなにイイ影響があると思う」。実績抜群の右腕加入で昨季しばしば破綻した『勝利の方程式』が格段に強化されるのは言うまでもないが、負担が軽くなる他のリリーバーや先発陣は勿論、「1点取れば勝てる!」と言うようなムードを作れば、打線に与える好影響まで期待出来る。日本一も2度成し遂げた小林宏の経験値に関して、前回入団交渉の時に指揮官は次のように話していた。「タイガースも(2005年千葉ロッテに)シリーズ4連敗してるし、たくさん良い経験持ってる投手。チームメイトも色々アドバイスもらえるし、若い人も勉強になると思う」。小林宏の一挙一動が、若手への教育にもなってくれれば、その効果は計り知れまい。

セリーグの野球について小林宏は、「そこまであんまり変わらないと思う。パリーグも細かい野球してくるし・・・」と神経質にはなっていない。ただ、DH制のないセでは投手も打席に入る事になる。「打席に立つ機会があれば、しっかり対応出来るようにしとかないと、というのはある。やっぱ打席に立てば打ちたい。(交流戦や日本シリーズなどで)プロの投手の低めの制球が凄い!と打席に立って思った。低めの見極めが難しい」。自ら打席に入る体験から、こうした感じ方が出来るのも彼の魅力かも知れない。


マルコス・ベキオナチ 選手

1月27日(木)兵庫県西宮市の球団事務所で、育成選手として契約したマルコス・ベキオナチ内野手(24)の入団記者会見が行われた。海外ドラマの刑事役を思わせる精悍な風貌。「阪神の事は、インターネットで調べた。米国で言うヤンキースとかレッドソックスのようなビッグチーム。ファンもたくさん球場に来てくれると聞いている。そういう意味ではヤンキースで長年プレーして今度は日本の名のあるチームでプレー出来るということは、本当に幸せだと思っている」と話した。

才能の宝庫ベネズエラ出身。10代で名門ヤンキースと契約を結び、傘下のマイナーリーグで8年間プレーしていた。内外野複数ポジションをこなすスイッチヒッターとして、2010年には2Aで114試合に出場、打率.283をマークするなど、将来が楽しみな逸材だ。


マルコス・ベキオナチ 選手

母国の先輩にあたるアレックス・カブレラ内野手とは以前から親交があり、昨年12月には日本野球についてベネズエラで話している。「球場の事、ボールの違いとか、彼の知ってる事を教えてもらった」。また、海外で活躍する日本人プレーヤーでは、ヤンキースにいた松井秀喜外野手や井川慶投手らとも交流があった。「(米国ではチームメイトから)ナッチと呼ばれていた。ベッキオとかも言われていたが、何でも構わない」と日本での呼称にもこだわりはない。

ベネズエラ出身者では、カブレラの他にも巨人のアレックス・ラミレス外野手など、日本で大成功したプレーヤーも多いが、「一軍でプレーしている全ての選手が目標だ!」と敢えて特定の名前を挙げなかった。阪神では育成枠からのスタートになる。「現実は理解しているが、全く悲観はしていない。一日でも早く一軍でプレーしたい!」。『底辺』から這上がる事には慣れている。『ナッチ』によるジャパニーズ・ドリームへの挑戦が始まった。


キー太くん(左側)

さらにこの後、トラッキー、ラッキーに続く球団の新しいマスコットが報道陣に紹介された。ラッキーの可愛い弟で、ちょっぴりどんくさいけど明るく一生懸命な男の子だ。愛称は『キー太』に決定。全国のタイガースファンに呼びかけて名前を募ったが、球団営業部の「2~3千くらいだろう」という予測を遥かに上回る応募総数17,016通の中から厳選して決められたという。

子ども達から人気を博しそうな親しみやすいキャラクターの顔と名前を広める為、キー太は早速沖縄へ移動。選手に負けじと宜野座キャンプ初日からキャンペーン活動に励む予定だ。開幕までに1万枚のポストカード配布をノルマとするなど、過酷なミッション(!)に取り組む。

ファンとチームの架け橋として献身するキャラクターたちも大きな戦力!小林宏、ベキオナチ、そしてキー太・・・カードは揃った。2011年のキャンプ直前、最高の補強に成功した猛虎が、いよいよ6年ぶりの栄光へと船出する。