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TORABAN Tantou Kisha ColumnCOLUMN INDEX

Vol.2011-6 チバリョー!沖縄キャンプ・・・『V請負人』たちが、順調な滑り出し


能見篤史 選手

「必ず優勝出来る!」・・・キャンプ前夜のミーティングで、ナインを前に指揮官が断言した。手探りの1年目、一歩及ばなかった2年目を経て、機が熟した3年目。真弓阪神が、今季も沖縄から船出した。

第1クールは肌寒い日が続いたが、休み明けの2月5日(土)あたりからは沖縄らしい暑さが戻って来た宜野座。気温の上昇に連れて観衆の数も急増した。(6日の日曜日は、沖縄県内のキャンプ地では最多・観衆4500人)

2月7日(月)メイン球場では加藤、能見、川崎、榎田の左腕投手がフリー打撃に登板した。大和、俊介を相手に60球を投げた能見篤史投手は、(1)打球の飛び方、(2)打者のタイミング、の二点を確認する事をテーマに打撃投手に臨んでいた。「ボクはボールにはこだわらない。飛ばなければイイから・・・」。これまではあまり乗って来なかった今季から採用の統一球についての話題にも、「確かに飛ばないかも知れない。(投手には)追い風になる。芯に当たると飛んで行くのは間違いないが、大胆に攻められる!」と、好感触を口にしている。


藤川球児 選手

昨季は右足甲を骨折後して数ヶ月間走れない時期があった事から、このオフはランニングの質と量にこだわって徹底的に下半身を強化。体幹も重視して数十種類に及ぶメニューをこなして来た。キャンプ初日から捕手を座らせて71球を投げて、生命線となる直球の伸びを確かめた。「ストレートをしっかり投げられるようになってから」の変化球も、今季は配球の中でチェンジアップを多めに組み立てる積もりだという。左のエースはさらなる進化を遂げそうだ。

この日は、藤川球児投手がウォーミングアップ中に右足太ももの張りを訴えて、その後のメニューを全て取り止め『リタイア1号』と報じられた。沖縄市内の病院でMRI検査を行い「右股関節内転筋炎」との診断だったが幸い大事には至らず、別メニューを経て休み明けの第3クール初日(10日)には4日ぶりのブルペン入り。直球のみで30球を投げ込んでみせた。東北楽天からFA移籍した藤井彰人捕手と初めてコンビを組んで、「めっちゃ投げやすかった!」と笑顔で握手。久保田、小林宏とトリプルKが並んで投げる姿は壮観そのもので、磐石になったゲーム終盤の必勝リレーが今から待ち遠しい思いだ。

平成ダイナマイト打線の中心を担う二人の外国人野手も、初日から全体メニューの中で独自の調整を続けている。10日(木)クレイグ・ブラゼル内野手は、サブグラウンドで特守を行なった。昨年9月22日の中日戦(ナゴヤドーム)9回裏一死満塁で一塁ゴロを本塁に悪送球。ペナントを左右する試合で痛恨のサヨナラ負けを喫した記憶が甦る中で、久慈照嘉守備走塁コーチがノックバットを振った。送球の正確さと足の運び方を自分自身の頭と身体に叩き込む。「本人も分かっていると思うし、しっかりやれば出来ると思う」。志願の特守に久慈コーチも心を動かされていた。「打つだけではなく、守備でもチームに貢献したい!」・・・助っ人の思いがプレーに反映されることを期待したい。


マット・マートン 選手

来日1年目の昨季、シーズン214安打という途方もない最多安打日本記録を樹立したマット・マートン外野手だが、また今年は『1からのスタート』を肝に銘じている。第3クールに入った時点では、「まだ自分のイメージと、実際にバットの出るタイミングとの間にズレがある。そこを微調整して行かないと・・・」と話していた。11日(祝・金)のランチタイム特打では、長距離砲ブラゼルを横目に15本のサク越えを放つなど飛距離も申し分ないように思われたが、「強く遠くへ!と意識はしてるけど、カタチを変えてる訳じゃない。(大枠では)昨年と同じカタチでやっている。あれだけ数を振れば、ちょっとずつ感じも良くなって来るだろう」と語り、まだまだ理想には程遠いことを示唆する。和田豊打撃コーチによると、(1)左足の上げ方、(2)テークバックの取り方に気を配ってやっているとの事。「毎年やるべき事はあるもんさ!」。マートンは今後も信頼する和田コーチのアドバイスに耳を傾けながら、『微調整』を進めて行く。


金本知憲 選手

金本と城島。リーグを代表する大物野手二人は、宜野座と安芸に分かれて別メニューでマイペースの調整を行っている。右肩棘上筋(きょくじょうきん)断裂から復活の道を歩む金本知憲外野手。20年目は引退覚悟で挑む背水のシーズンとなるだけに明るさの中にも張り詰めた空気が漂う。キャンプ3日目には投手陣が引き払ったブルペンに現れ、トレーナー相手に57球のキャッチボールを敢行。1球1球右肩の状態を確かめるように笑顔を見せながらのスローイングだった。


城島健司 選手

安芸のファームキャンプからスタートとなった城島健司捕手。昨年11月9日左ヒザ半月板手術後、予想外のハイペースで回復しつつあるようだ。キャンプ初日には、チーム宿舎から自転車で球場に一番乗り。第1クールから「予定通り。順調」にメニューを消化して、「ダッシュ系とか軽快走が出来ないだけ。捕手じゃなければ、もう殆ど問題ないでしょう!」と胸を張っていた。

その言葉通り、第3クール初日の10日(木)には術後初めてのブルペン入り。立ったままで石川のボールを34球受けると、次には江草が投げるところをブルペン捕手の後方から、しゃがんだ姿勢で球筋を確認した。ダッシュも取り入れ、遠投距離も50mを越え、マシン打撃ではフルスイングを見せるなど、元気そのものと言える。当初は絶望を懸念された開幕戦出場も、日に日に現実味を帯びて来る。18日に合流する一軍首脳が、元気なジョーの姿にどんな顔をするか?・・・とても興味深い。