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TORABAN Tantou Kisha ColumnCOLUMN INDEX

Vol.2011-36 虎人事往来


廣神聖哉 選手

新人選手入団発表会が行われた12日の夜、早くも入寮したルーキーがいる。育成ドラフト1位指名の廣神聖哉捕手だ。練習場所確保のため、布団とバット、段ボール1箱と最低限の荷物で他のルーキーたちより一足早く虎風荘に入寮。2年前に育成ドラフト1位で入団した髙田周平投手も年内に鳴尾浜で練習を開始していたが、髙田投手は実家が甲子園の近所で、実家から鳴尾浜へ通っており、年内に入寮したルーキーは初めてとのこと。鳴尾浜では他の自主トレ組に混ざってトレーニングをこなしているが、慣れない環境に疲れは隠せない。それでも「環境に少しでも早く慣れたい」と意気込みを語ってくれた廣神捕手。年末年始は地元に戻ってトレーニングを続け、年明けの新人合同自主トレに備える予定だ。


廣神聖哉 選手

シーズンオフは先の廣神捕手を含めた新人選手やFAやトレードなど、シーズン中と比べて選手の入退団が活発になる時期だ。もっとも今オフのタイガースは、積極的に戦力補強に動いている巨人と比べて、ほとんど動きがない。スポーツ紙上ではメジャーの日本人投手獲得の報道もあるが、ドラフト指名選手を除けば、現時点での新入団選手は楽天からトレードで獲得した松崎伸吾投手だけである。

松崎投手は180cm、90kgの大型左腕で、2005年度大学生・社会人ドラフト1巡目で東北福祉大から楽天に入団。ルーキーイヤーから開幕一軍を果たすなど期待も大きかったが、パ・リーグ新人投手ワースト記録となる開幕8連敗、プロ野球タイ記録となるプロ入り未勝利11連敗を記録するなど、プロ入り後は伸び悩んだ印象は否めない。ただ、それだけ多くのチャンスを貰っていたということは、期待の大きさの表れ、松崎投手に対する評価の高さがうかがえる。


松崎伸吾 選手

このトレードでタイガースから楽天へと移籍したのが2008年度新人王の上園啓史投手。ひと昔前までのトレードといえば、どこか後ろ向きのイメージがあったが、最近ではそういったイメージが薄れてきた。上園投手もトレード発表時のコメントで「今後は心機一転、楽天で頑張りたいと思います」と語っているように、気持ちは前を向いている。特に楽天の星野監督は積極的なトレードをしかける人物で、特に双方がプラスになる、いわゆるWin-Win形態のトレードを数多く成功させてきた。阪神監督時代も山田勝彦、伊達昌司との交換トレードで下柳剛、中村豊を獲得したことはファンの記憶にも新しいだろう。松崎投手の2011シーズン一軍登板は3試合、上園投手は一軍登板なしに終わっており、両者とも伸び悩んでいる感は否めないが、環境が変われば、両チームにとってなくてはならない戦力になる可能性もある。

その点、松崎投手が有利なのが『左』ということ。さらに今秋キャンプからヒジを下げたサイド気味のフォームに変更中で、「ピッチングコーチとも話して、左を特に抑えられるように。まだ完成はしてないですけど、だいぶ固まってきています。春季キャンプまでには完成させたい」とオフもブルペンに入って完成度を高める予定だ。「自分の持っているスタイルをしっかりアピールできればと思います」と得意のインコース攻め、さらにはサイド気味のフォームで、一軍投手陣に割って入りたい。