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TORABAN Tantou Kisha ColumnCOLUMN INDEX

Vol.2012-3 キャンプへ向けて順調なルーキーたち 一二三は野手転向へ


歳内宏明 選手

鳴尾浜で行われている新人合同自主トレもいよいよ第3クールに突入した。このクール初日にはドラフト4位の伊藤和雄投手が早くもブルペン入り。捕手を立たせて35球を投げ、視察した山口高志投手コーチも高い評価を与えた。大卒ルーキーながら即戦力というよりも、2、3年後が楽しみなタイプだが、まず目標としているのが一軍キャンプスタート。「早めに肩をつくって試合でアピールしたい」と最速150キロの大型右腕は意気込む。世間ではドラフト1位の伊藤隼太選手が大きな注目を集めているが、もう1人の伊藤も決して侮れない。

昨年末の自主トレで右足首を捻挫し、別メニュースタートとなったドラフト2位入団の歳内宏明投手。合同自主トレ初日は「一緒にやりたかったのが正直なところ」と無念の表情を浮かべていたが、患部に負荷のかからないトレーニングを継続し、第2クールからは屋外でのランニング、キャッチボールを再開した。続木敏之ファームトレーニングコーチは「経過は順調。ただ他のメンバーと体力的に差がついているので。合流して同じようにできるかは分からないけど、別メニューでも(ペースは)どんどん上げてきている。予定としては第3クールが(別メニューの)最終段階と思ってやっています」と説明。早ければ第4クールから本隊に合流予定だ。


一二三慎太 選手

一方、2010年度ドラフト2位入団の一二三慎太選手が投手を断念し、野手転向を決意した。184cm、86kgの恵まれた体躯から繰り出される最速150キロのストレート、将来の虎投を背負うべく逸材として期待の大きい大型右腕だったが、故障には勝てなかった。

昨春キャンプでは第2クール初日、2日目とブルペンで立ち投げながら威力のあるボールを披露したが、3日目に右肩の違和感を訴えてからは体力強化とリハビリの日々。5月にはキャッチボールを再開するまでに回復したが、その後は一進一退で、8月以降は再びノースロー調整。患部にメスを入れない保存療法を基本線にリハビリを続けてきたが、回復具合は芳しくなく、昨年末に野手転向を決断した。


一二三慎太 選手

2010年夏の甲子園ではエースとして東海大相模高を準優勝に導いた一二三選手だが、2回出場した甲子園では、1本塁打を含む25打数15安打の打率6割を記録。また、入団前の体力測定で破格の数値を記録した高い身体能力、リハビリ中に気分転換で受けた内野守備ノックでノッカーの風岡ファーム守備走塁コーチから高い評価を受けるなど、野手としての評価も高い。「ピッチャーへの未練はもうない。気持ち切り替えて頑張ります。去年は何もできなかったんで返すしかない。ガムシャラにやるだけです」と意気込みを語った一二三選手。若く、スケールの大きな打者が少ないチームだけに、今後の成長が楽しみだ。