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TORABAN Tantou Kisha ColumnCOLUMN INDEX

Vol.2012-4 意識改革へ『覇気』を重視・・・キャンプメンバー発表!!


伊藤隼太 選手

「もちろん技術が第一だが、それプラス『覇気』とか、そういう部分が出て来ないと・・・」。チームの意識改革を目指す新しい指揮官は、厳しい姿勢を崩さない。2012年、猛虎の青写真が見えて来た。

1月22日(日)、自主トレの選手でにぎわう鳴尾浜で一軍・ファーム合同コーチ会議が開かれ、沖縄と高知で行われる春季キャンプのメンバー振り分けが決定した。

◎沖縄(宜野座)キャンプ参加メンバー
<投手>
渡辺、榎田、能見、藤原、安藤、伊藤和、二神、筒井、岩田、藤川、秋山、福原、小嶋、久保田、久保、小林宏、西村、鶴、若竹、メッセンジャー、スタンリッジ、白仁田(22名)

<捕手>
城島、小宮山、清水、藤井、岡崎、中谷(6名)

<内野手>
大和、鳥谷、関本、上本、平野、新井貴、新井良、黒瀬、ブラゼル、森田(10名)

<外野手>
金本、俊介、マートン、桧山、伊藤隼、田上(6名)計44名

≪キャンプ日程≫
【宜野座】2月1日(水)~29日(水)
【安芸】2月1日(水)~27日(月)

≪休日≫
6日(月)、10日(金)、15日(水)、20日(月)、24日(金)
沖縄・高知共通(休日は天候等により変更することがあります)


秋山拓巳 選手

沖縄組には、即戦力と期待される新人のダブル伊藤に加え、3年目の秋山や2年目・中谷も初選出。白仁田は、3年ぶりに一軍キャンプを手繰り寄せた。秋季キャンプ以降、成長著しい若手にも多くのチャンスを与えたカタチで、宜野座キャンプでは過去最多となる44人を連れて行く事になった。昨年までは一軍も2月下旬には安芸で二次キャンプを行っていたが、今季から1ヶ月丸々沖縄に滞在する日程に変わった事で、対戦相手が豊富な現地では練習試合を含め2月中の実戦機会が増える。その為、主力クラスが調整段階にある時期だけに、若手のチャンスが拡大する!という訳だ。

高卒新人としてシーズン後半4勝を稼ぎ大活躍した一昨年から一転、昨季は2年目のジンクスに沈んだ秋山拓巳投手は、満を持して初の宜野座に向かう。「開幕ローテーションを狙ってるんで、最初から実戦でもアピールし続けたいと思う。秋からやってる事を続けて、それを結果に出そうと・・・。オフは走り込みもしたが、トレーニングにもだいぶ時間を割いたので、それが(身体が)大きくなった!と見られる(理由だ)と思う」。表情と口振りに、充実のオフを過ごした自信が溢れていた。


白仁田寛和 選手

「投げ込みで早めにフォームを固めて、キレを出して行きたい!」。プロ5年目となる白仁田寛和投手も、3年ぶりの沖縄キップに不退転の決意を見せる。年明けは地元福岡のJR九州でオリックス金子千尋投手と汗を流し、「結構指導してもらって、体の開きが早かったりすると指摘されたり、悪いところをどんどん言ってもらった」という。「(キャンプでは自分がこれまでと)変わったところを見せて行きたい。取り組みとか、やる気とか、ブルペンでも気持ち込めて・・・」。ハードな練習で、体重はほぼ現状維持だが、筋肉の量は増えた。指揮官が言う『変化』を体現する象徴的な存在になるかも知れない。

「沖縄と安芸は距離があるけど、この振り分けで(開幕)云々ではなく(ある段階で)入れ替えもある。何も最終決定じゃない!」。和田豊監督が語気を強める。「若い選手は、声出ない!とか、そういう事も大切にしたい。過去にも(練習で声が出てない!との理由で、ある若手が沖縄からファームキャンプへ降格する出来事が)あったし、ある時にはそういう事も辞さない」。それこそが和田イズムであり、「変わらなきゃならない!」意識改革の根幹にも関わって来る。「現時点では際立った大きな補強はしてないし(昨季とほぼ同じメンバーで)去年と同じようにやってたら、同じ成績になる」。だから、いの一番にやるのは『意識を変える』ということだ。「(選手個々で)ココを変えていく!というモノは違うけど、・・・若手の底上げだけでなく、中堅もベテランも全部の選手を1割から2割レベルアップしてもらえるよう(コーチ陣に)お願いした」。


中谷将大 選手

非凡な打撃センスを買われ、昨年の秋季キャンプで注目の的だった中谷将大捕手が沖縄メンバーに選ばれたのも、自然の成り行きだったように思われる。「若さを出す事とバッティングでアピールしたい。(捕手、内野手、外野手用に3種類のグラブを持って行くが)言われてはないけど、どこ守るか分からないので、準備万端で行きたい」と、目を輝かせた。片岡篤史打撃コーチは、「(中谷は)捕手にこだわらない。バッティングで(勝負させたい)。秋と春のキャンプは違う。一軍クラスを肌で感じられる時やし、感じて欲しい選手。その期待込めて」の人選だったことを認めている。

鳥谷以来の『大学生ドラ1野手』となる伊藤隼太外野手は、次のように話した。「まずは開幕一軍が目標だったので、そこへ向けては(沖縄での)キャンプスタートが絶対条件だと思っていたから嬉しいけど、まだスタート地点に立っただけなので、もう一度気持ちを引き締め直したい。キャンプの目標は、まずケガをしないこと。ケガをしたら、そこでストップだったり後退になってしまう。常に前進しないといけない立場だから」。

この日は練習後、チームリーダーの一人・藤川球児投手による特別講義を他の新人や寮生らと共に聴講。「ファームの環境に馴れるな!」など、強い言葉に感銘を受けた。熱心にメモをとりながら聴いていたという隼太は、「よく言われる事だけど、目標持ってやれ!という中で、(最低限達成したい)現実的な目標と理想的な目標の二つを持ってやれ!それを毎年、年の初めに・・・」とのアドバイスを心に留めていた。「ボクの場合、現実的な目標は、開幕一軍。最低限じゃないかも知れないけど・・・。理想的な目標は、一軍でスタメン(と言いかけてから)、一年通して試合に出続ける事。それが今の自分の立場で言えば、理想です」。


藤川球児 選手

しかし、どれほど期待のゴールデンルーキーであっても、全てが初めての体験となる今季は手探りの部分が大きいのも現実である。「まだ分からない事が多いけど、入ってからまだまだプロのレベルを体感してない。自分というのを知らない段階。全ての部分(が足りない)と思うけど、(実戦で)対戦する中で自分に足りないモノを補って行く。その繰り返しになると思う」。

新人から大ベテランまで、それぞれがそれぞれの立場で変われなければ、おそらく目指す頂点には届かないだろう。厳しい道のりは、覚悟している。それでも、今季はその難関を越えて行けそうな雰囲気が確かにありそうだ。夢を現実にするために!・・・いよいよ、待った無しのキャンプが始まる。