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TORABAN Tantou Kisha ColumnCOLUMN INDEX

Vol.2012-5 春季キャンプの見どころ 楽しみな外野手争い


田上健一 選手

球春到来。いよいよ今年も野球の季節がやってきた。2月1日、12球団が各地で一斉にキャンプイン。タイガースは一軍が沖縄県宜野座村で、ファームは高知県安芸市でそれぞれ約一ヶ月間、野球漬けの日々を送る。

一軍はこれまでの前半沖縄、後半高知の分離キャンプを止め、今年は一ヶ月に渡って沖縄に滞在するため、昨年と比べて、2月のオープン戦、練習試合は倍の8試合が組まれている。その分若手の抜擢も多くなり、一軍キャンプメンバーもこれまでの沖縄キャンプでは最多となる44人の大人数で臨むこととなった。


俊介 選手

投手陣の競争の激しさは言うまでもないが、今キャンプでは外野のレギュラー争いも見どころの一つだ。両翼は二年連続最多安打のマット・マートン選手、ベテラン金本知憲選手が有力だが、センターは確固たるレギュラーがおらず、赤星の引退以来、シーズンを通してポジションを掴んだ選手もいない。残る一枠を勝ち取るべく、激しいレギュラー争いが繰り広げられそうだが、その中からまず抜け出したのが、一軍キャンプスタートの俊介選手、田上健一選手、中谷将大選手、そしてドラフト1位伊藤隼太選手だ。

入団以来2年連続100試合以上に出場した俊介選手は、実績で頭一つ、二つ抜けている。しかし、昨シーズンは開幕スタメンも、中盤には自身初のファーム落ちも経験。一軍復帰後も代走や守備固めなどの途中出場が多く、ポジションをつかみ損ねた。年明けからは城島選手と佐世保で自主トレを行い、下半身を中心に強化。守・走は定評があるだけに、打撃でアピールできれば、2年連続の開幕スタメンはもちろん、レギュラーへも大きく近づく。


中谷将大 選手

昨シーズン終盤に一軍昇格を果たし、初スタメン、初安打、初猛打賞、初盗塁を記録するなど、初物尽くしだったのが田上選手。年末年始は昨オフに続き、母校・創価大でトレーニング。同じく創価大出身で2010年のパ・リーグ打点王の小谷野選手(日ハム)から大きな刺激を受けた。プロ入り初の一軍キャンプスタートとなるが「チャンスを与えられたと思ってます。強い気持ちも生まれましたし、やってやるぞって感じです」と意気込みを語った田上選手。課題だった打撃面も昨シーズン終盤に大きな成長を見せた。オフの自主トレでさらにレベルアップしたところを見せてほしい。

勢いでは中谷選手も負けていない。昨秋キャンプに高卒ルーキーで唯一抜擢され、スケールの大きなバッティングは首脳陣からも高い評価を受けた。とはいえ本職は捕手だけに、守備面はまだまだ経験不足。広い甲子園、しかもセンターのレギュラーとなると厳しいのは承知の上だ。しかし、金本選手の右肩の回復次第では、開幕一軍も十分考えられるだけに、今キャンプでは自慢の打撃でアピールしておきたい。


伊藤隼太 選手

予想通り一軍キャンプメンバーに選ばれた伊藤隼選手。即戦力ルーキーとして期待も大きいとはいえ、ルーキーだけにプロでどれだけやれるかは未知数だ。キャンプから本格的なプロ生活が始まるが、体力的にも精神的にも未体験ゾーン。8年前、同じく東京六大学から即戦力ルーキーとして入団した鳥谷敬選手も、やはり最初はプロへのアジャストに苦労した。加えて注目度の高いタイガースのドラ1だけに気苦労も多くなるだろう。しかし、ここを乗り越えれば、鳥谷選手以来となるルーキー開幕スタメンも見えてくる。そのためには今キャンプでどんなパフォーマンスを見せられるかがカギとなりそうだ。

もちろん、キャンプが一軍スタートだからといって、開幕一軍が決まったわけでもない。和田監督も「これが開幕メンバーかというと全く違う」と言うように、安芸スタート組もアピール次第で十分にチャンスはある。特にレギュラー最有力とされながら左肩痛で安芸スタートとなった柴田講平選手は、患部の状態次第とはいえ、逆転開幕一軍を虎視眈々と狙ってくるだろう。バッテリー、二遊間とともにチームのセンターラインを担う重要なポジションだけに、高いレベルでの競争を期待したい。