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TORABAN Tantou Kisha ColumnCOLUMN INDEX

Vol.2012-6 一体感で熱くなれ!和田色キャンプは驚きの連続

「キャンプを制するものは、シーズンを制す!」。タテジマの指揮官は、沖縄の青空に誓っていた。意識を変える!虎を変える!・・・そして、チーム一丸でペナントを勝ち取ることを。

日本列島に記録的な寒波が襲った2月1日(水)、沖縄では、穏やかな青空が広がっていた。プロ野球12球団のキャンプが一斉にスタート!宜野座村野球場で、猛虎の2012年スプリング・トレーニングが幕を開けた。

「野球人として初日にしか味わえない緊張感がある。朝、ユニフォームに袖を通した時に心地よい緊張感があった」。指揮官が、監督としての記念すべきキャンプ初日の感想を述べた。前日に御披露目された新ユニフォームは、タテジマの幅がやや太く、虎の牙をイメージした切り返しが入るなど、力強いデザイン。ビジター用も、これまでの上下グレーから、漆黒のシャツに白のパンツに一新したが、「勝つことで、ユニフォームが良く見えてくる!と言うのもある。良いユニフォームだな!と言ってもらえるように」結果を出すことが、指揮官の願いでもある。


和田 豊 監督

前日の全体ミーティングで、ナインの表情を見て、「選手から伝わるものがあって、よ~しやるぞ!」と、より一層テンションが上がった若き新監督。「去年と同じようなメンバーで、同じような事をやっていたら同じ結果になる」との危機感を抱き、だからこそ「変わらなきゃいけない!」必要性を説いて来た。「全力疾走や声を出すこと、カバーをすること、・・・そういうことを大切にしよう!担当コーチのやり方もあるけど、練習メニューには意味がある。選手には、朝起きて(予定表の)ホワイトボードを見て、感じて欲しい。淡々とこなすのではなく、差がつくのはメニューが終わってから。『努力の器』を一つ二つ大きくして帰る位のキャンプにして行かないと・・・」。

そして、迎えた『プロ野球の元旦』。和田監督は、はっきりと手応えを口にしていた。「ウォーミングアップから非常に声が出てるし、鳥谷、球児が先頭になって引っ張ってくれてるので、このまま最終日までやってくれればイイ。このキャンプでは、午前中はチーム全体がボール1つを追う(投内連係などの)練習が中心になる。熱くなれ!もそうだが、一丸となる!心一つにする!みんなが同じ方向にむかって行く一年になると思うので、練習メニューでも・・・(一体感を出したい)」。


関本賢太郎 選手

新選手会長の関本賢太郎内野手を始め、投手と野手のキャプテンとなった藤川球児投手、鳥谷敬内野手が率先垂範して全体を引っ張る姿に『生まれ変わった猛虎』が、確かに見えてくる。

最初のキャッチボールでは、ここ数年右肩の故障に苦しみ抜いた金本知憲外野手が、遠投距離を約70mまで伸ばしてスタンドを驚かせる。鉄人完全復活を予感させる一幕だが、「まあまあです。キャッチボールは80点。足も80点。打撃はダメ!」と、金本は少し茶化すように答えた。オフの鍛練が実って、右肩棘上筋(きょくじょうきん)断裂と言うどん底から這い上がった鉄人の新たなる伝説が始まったのかも知れない。

午前中にメイン球場で行われたシートノックでは、城島健司捕手がファーストの守備に就いた。捕手への情熱、こだわりに少しの揺るぎも無いものの、二度に渡る左膝手術からのカムバックを目指す過程で浮上したプランに柔軟な対応を見せる。「やるからにはベストの事をやらないと・・・。一塁はやった事がないから、ヘタクソは上手くなるしかない。プロですから」。このポジションには、ブラゼルと言う強力なライバルが存在する。ブラゼルもまた、負けるつもりはサラサラない。チーム内競争は過熱するばかりだ。


城島健司 選手

注目のルーキー、ドラフト1位の伊藤隼太外野手は、最初のシートノックでセンターに配置された。即戦力の期待から『開幕スタメン』の呼び声も高いゴールデンボーイだが、さすがにプロ初のキャンプに入って、「わからない事ばかりなので、緊張したまま一日中動いていた感じ」で、やや精彩を欠いた初日となってしまった。

午前中、まず関川浩一外野守備走塁コーチから注意を受けた。「(キャッチボールは)投げる態勢で捕っていた。捕ってからステップをしっかりやろう!と言ったのにバラバラだった」と新コーチは説明した。フリー打撃でも片岡篤史チーフ打撃コーチが、「バットをしならせて使う」ように、伊藤隼は指示されている。学生野球の花形・東京六大学のスターも、この世界では駆け出しに過ぎない。「振り返って、しっかりメモして、また同じ事を言われないように」・・・ほろ苦さの中に大きな収穫を見出した一日に感謝していた。

キャンプ2日目には、サブグラウンドで早出特守が行われた。全体練習の前に大和、上本、黒瀬の3選手が、久慈照嘉内野守備走塁コーチのノックを追って、汗を流した。和田監督も付きっきりで若手内野手の動きを凝視。特に上本博紀内野手には、身振り手振りの熱血指導を施している。


伊藤隼太 選手

この過程で、上本のグラブに着目。指示に従って、途中から久慈コーチのグラブを借りて練習する姿が見られた。「野球選手は、信頼出来るグラブを作れるかどうか?も大事。名手は良いグラブを使っている。昔の選手は、まっさらな状態からグラブを作った。今後グラブを見れば、上手い選手かどうかが分かった」。一つのグラブを長く使い続けるのもイイが、時には色んな物を試してみる事も状態打破に繋がる。試行錯誤することの必要性を考えてのアドバイスであった。

この日の午後に行われた捕手の特守では、指揮官自らが走者役を演じ、岡崎や清水に向かって本塁上のクロスプレーをよりシビアにする体当たりを繰り返した。「結構試合であるプレー。アウトかセーフかで大きく変わる。統一球になって、1点取るのが大変。なるべく試合に近いところを想定しないと・・・」。和田監督の気迫に周囲も驚くばかりだ。


中谷将大 選手

しかし、翌日2月3日の練習メニューは、それ以上のサプライズだった。なんと投手と野手の役割をそっくり入れ換えて行う究極の内容。プロ野球では、あまり聞いたことがないようなユニークな練習となった。投内連係でも、野手が投げて投手が守る、といった案配。ブルペンにブラゼルや関本らが並び、鳥谷が最速134km/hの速球を投げ込んだ。また、藤川は屋内フリー打撃でサク越えをかっ飛ばして、気持ちのイイ汗を流している。

「入れ替わってみると、相手の捕りやすいところ、投げやすいでしょうかところ、次のプレーに移るにはドコがイイか?が分かる。野手は、傾斜のあるマウンドではピッチャーゴロを捕りづらいとか、色んな事を感じる」。投手と野手が改めてお高いを理解出来た練習は、オフからしたためていたアイデアだったと言う。

他にも、初日からフリー打撃で『アーチ』を量産する中谷将大捕手の台頭の他、安芸のファームも含めて枚挙に暇がないほど第1クールの阪神キャンプは話題満載となった。夫人の出産があって、宜野座メンバー44人中ただ一人参加が遅れていたマット・マートン外野手も、米現地時間の2月1日、待望の第三子となる次男が無事誕生。7日に来日をした、。

選手のやる気と連日のサプライズにますます期待が高まるキャンプ序盤。最初の数日間だけで、『変化』は確かに感じられた。先はまだ遥かに遠いが、その道のりが楽しみで楽しみで仕方がない。