エンタメ

コラム・ブログ

TOP > エンタメ > コラム・ブログ > タイガースWebマガジン

タイガースWebマガジン 2017年12月矢野燿大ファーム監督

<strong>矢野</strong>燿大ファーム監督 インタビュー

Q: 2年間の一軍コーチ経験を振り返っていかがでしたか?

矢野ファーム監督:現役を引退した後、解説などの仕事を経て2016年に現場に戻ってから2年間一軍のコーチをやらせてもらいました。コーチとして1年目は、自分の中でもっとこういうことをしたいなあとか、ああいうことしたいなあとか、もっとチームの力になれるんじゃないか、みたいな思いを抱いていました。実際、キャッチャーに対しては、ある程度自分の思うような形で指導できたんですけど、それ以外はあらかじめ考えていたプランがあったものの実現させるのは難しかったですね。自分の中では勉強として、色んな思いを味わいながら過ごした1年でした。2年目の昨年はピッチャーを含め全体的な部分で、1年目よりはコーチとして多少貢献できたかなって思っています。

Q: 現役を引退してから解説者、コーチを経験されて野球に対する考え方は変わりましたか?

矢野ファーム監督:根本はそんなに変わってないんですけど、解説でしゃべっていた時に『実際プレーする難しさを忘れたらあかんな』と改めて思って、自分にそのことを言い聞かせながら仕事をしていました。例えば、送りバントってまわりから見ている分にはすごく簡単に見えるんですけど、いざバッターボックスに立つとプレッシャーが掛かって、いつもなら打てる140kmの球でも初球ポンと見逃すこともあるんです。「なんで打たれへんねん」とか言われるんですが、でも現役の時は140kmでも打てない自分もいたんですよ。初球から必死に振りに行きたい気持ちはあっても、なんか絶不調でタイミングも取れへんし、バットを振る勇気も出そうと自分は思っても振れない時もありました。そういう、「そんなん言うてもできるか!」みたいな精神的な部分ってあったなと解説者になってから思い出しました。
でも、それでは上手くならないので、そういった選手の繊細な部分も理解した上で、改善する方法を一緒に探していきたいと考えています。ただ選手には、こちらから全部を提案したり、それを待つ状態ではなく、自分から上手くなるための情報を見つけたり、自分で調べてトレーニングに行く、治療にいくということもやってほしいと思っています。そして今のこの選手にはこれが必要だなと僕たちが思ったときには、コーチ、トレーナーと相談して提案できるようにしたいと考えています。
平田(勝男)さんやファーム監督の経験がある方から、「ファームは我慢やぞ」ってアドバイスをもらいました。その通り、ある意味我慢が必要なことは頭では理解しているんですが、実際はどこまで我慢できるのかはまだわからないです。

第2回の更新は1月12日(金)。お楽しみに!