Q: 今シーズンからファーム監督に就任されましたが抱負をお聞かせください
矢野ファーム監督:もともと自分の性格を含めて、何となくファームが性に合っているのかなって思っていたので監督として指導できることをとても楽しみにしています。中堅やベテランが調整でファームに降りてくることもありますけど、基本的に若い選手の育成が中心になると思うので、自分が若手の頃から解説の時代を含めて、これまで学んできたことをできるだけ伝えていきたいと考えています。
僕が若い選手に一番望むのは、とにかく積極的にやってほしいということ。それは自分の経験を振り返ってみても、色んなプレーが若い時は思い切ってやれないというのがありました。例えばバッターボックスに実際に立ってみたら、ベンチの思いとしては、”確率高くいってくれよ”なんですが、例えそのベンチから”行けたら行けよ!”っていうサインが出ても、100%という成功率はないから躊躇するんですよ選手って。だから何かチャレンジすることよりも、その前にやったらあかんこととか、怒られないようにしようってことが先に頭にあったりするんです。でも、それじゃ上手くなるスピードは上がらないと思うので、こっちがちょっと背中を押してやるくらいの気持ちで、若い選手が積極的に何でも挑戦できるように指導していきたいですね。
Q: ファームとしてのファンサービスなどは何か考えておられますか?
矢野ファーム監督:やっぱり僕らはプロなんで、もちろん勝つことが一番大事なのですが、ただ勝つだけではなくてファンの人に「また来たろ」とか、「こいつのこと応援したろ」と思ってもらえるようなプラスアルファのファンサービスをしないといけないと考えています。
解説のときから少し考えていたんですけれど、ファームの試合で選手同士のヒーローインタビューをしようと考えています。
やっぱり選手が自分の言葉で話すことって大切で、お立ち台に立った時に何にも話せませんでしたじゃファンを楽しませることもできないですから。ファームのヒーローインタビューでは禁止にしようと思っているんですけど、「チームの勝利のために貢献します」という言葉は(福留)孝介や(糸井)嘉男や鳥谷(敬)とか立場のある選手が言っていい言葉だと思うんです。まずは若手選手には自分をアピールして欲しいんです。例えば、陽川(尚将)やったら「明日もフルスイングします」とか、江越(大賀)やったら「明日もガッツあるプレーを皆に見せます」とか何でもいいんですよ。逆に聞き手は、インタビューする側の難しさであったりを学んでほしいと思っています。選手同士ですれば、選手が聞くからこその答えが返ってきたりとか、面白いと思うんですよね。そして一軍に上がった時に、決まりきった面白くないヒーローインタビューをしない、自分の言葉でファンの心に響くようなメッセージを伝えられる選手になってもらいたいです。
第3回の更新は1月19日(金)。お楽しみに!