森田一成 選手
7月8日現在、阪神タイガースファームはウエスタン・リーグ公式戦を58試合戦い、29勝24敗5引き分けと2位ソフトバンクホークスに0.5ゲーム差とし、首位を死守している。
そのファームで潜在能力の高さを買われ、四番に抜擢されているのが、3年目の育成枠・森田一成内野手。毎日練習前には室内練習場で町田公次郎ファーム打撃コーチとマンツーマンで打撃練習を行った後、全体練習に参加する日々が続いている。平田勝男ファーム監督は「森田には自分自身が納得するまで練習をやらせ、何とか育成枠から再び選手登録になれるよう、とことんやってもらう。打撃の素質は計り知れないものがあるから、後は本人がどれだけ努力出来るかだと思う」と長距離砲候補として、指揮官からも大きな期待が寄せられている。
6月後半には規定打席に到達して、打率.288でウエスタン・リーグの打撃成績5位となり、そして打点21はリーグ10位(7/7現在)と、徐々に日々の練習の成果が表れはじめている。
森田一成 選手
森田選手は「今は右投手、左投手に関係なく試合に出して頂いているので、何とかその期待に応えられるバッティングを見せたいです。自分自身としてはやはりバッティングが売りで、その中でも長打を打てるバッターを目指していきたいし、何とかプロ入り時の様に二桁の番号(プロ2年目の昨季から育成枠登録)に戻したい。そのためには今は練習しかないと思っています」と、首脳陣からの期待と目の前の目標に向かって日々練習に取り組んでいる。
森田一成 選手
6月24日のソフトバンク戦(甲子園 4-3で勝利)での試合後ミーティングでは、平田監督が森田選手の守備について「打つだけに神経を使うのではダメ。守備でも考えながら守り、外野手の捕球状態でカットの位置を考えないといけない。一つの守備の乱れから試合を落とすこともある」と、厳しい口調で名前を挙げた。チーム内では数少ない大型野手だけに、課題の一つである守備面でのレベルアップを図り、将来一軍でレギュラークラスの選手に成長することが期待されている。“支配下登録復帰”を目指した森田選手の奮闘はこれからも続く。
藤原正典 選手
ルーキー・藤原正典投手と、4年目の横山龍之介投手がプロ入り初登板を経験した。藤原投手は春季キャンプで内転筋を痛め離脱し、5月14日の練習試合(対トータル阪神戦)で復帰登板を果たすまでに約3ヶ月を要したが、一軍に初昇格した6月29日の中日戦(甲子園)、10点差の場面で二番手としてプロ入り初登板を果たした。先頭打者の荒木はライトフライに打ち取ったが、その後二塁打を3本許し2失点の悔しい初登板となった。
しかし首脳陣からはリリーフ左腕としての期待が大きく、7月2日の巨人戦(東京D)では2点差の一死1、2塁のピンチで登板し、貴重なマウンド経験を果たした。(結果は一塁エラー)
横山投手は昨季途中、オーバースローからサイドスロー(スリークォーター気味)に変えてコントロールが安定し、3・4月のタイガースファームの優秀選手MVPに選ばれた。今季はファームでリーグトップとなる28試合に登板(7/7現在)と、一軍でも心配のない強い身体を持っている投手と言える。
6月27日ヤクルト戦(神宮)でプロ入り初登板を果たした際、横山投手は「打者一人でしたが、飯原選手をしっかりと抑えたことが本当にうれしかった。マウンドに上がるまではドキドキでしたが、投球練習をしていると不思議に落ち着きが戻って来て「自分の投球をしよう」と思えたのが良かった。今は一度でも多く一軍のマウンドに上がり、投げることによって色んな経験をしたいと思います」と、一生の記憶に残るであろう、記念すべき初マウンドを振り返っていた。
横山龍之介 選手
しかし2試合目の登板となった6月29日のドラゴンズ戦(甲子園)で、二死を取りながら堂上剛裕選手に安打、荒木選手にホームランを許し、プロ初失点そして自分自身が最も気をつけていると言う四球を出してしまい、あと一死を取れば試合終了という場面で、屈辱の降板となった。試合後ファーム降格が決まり「投げっぷりが悪く、今年ここまでファームでやってきた事が出せなかったのが悔しいです。もう一度この経験を活かすためにもファームでしっかり結果を残して、(一軍に)呼んでもらえるように頑張ります」と今回の経験を活かし、ファームで鍛え直し再び一軍マウンドに戻ってくることを誓った。
たった2試合だったが一軍の試合に登板した事は、横山投手にとってファームで登板を重ねる以上に良い経験が出来たと言えるだろう。この経験と悔しさを持ってファームで練習に取り組めば、一軍で活躍するには今の自分自身に何が必要か?どんな練習が必要なのか?が見えてくるはずだ。