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Vol.2011-9 フレッシュ球宴から後半戦へ!真夏に誓う若虎それぞれの思い

華やかな舞台にも、口をつくのは反省のオンパレードだった。「(後半戦の課題は)すべてです。(周りは)みんな振りも鋭かったし、イイ選手ばかり」。このままでは取り残されてしまう!・・・理想の高さと背中合わせの危機感が、『野球エリート』の道を歩んで来た若武者の心を激しく揺さぶっていた。


橋本良平 選手

7月21日(木)、富山アルペンスタジアムで『フレッシュオールスターゲーム 2011』が開催された。昨季ウエスタンリーグを制した阪神からは全ウエスタン選抜の指揮を執る吉竹春樹ファーム監督を始め、蕭一傑投手、鄭凱文(ジェン・カイウン)投手、橋本良平捕手、上本博紀内野手、甲斐雄平外野手の5選手が出場。次代のスター候補生たちが一堂に会した。


鄭凱文 選手

7回までは1対0の好ゲームも、終盤イースタン選抜に大量点を許したウエスタン選抜は、10対0と大差で敗れる。最終回1イニングに6安打浴びて6失点したのは、何とウエスタンリーグで目下35イニング連続無失点継続中の鄭凱文(ジェン・カイウン)投手だ。ファームにおける抜群の成績を引っ提げ、満を持して今季一軍初登板で先発した16日の横浜戦(横浜)では、味方の大量援護にも助けられて6回2/3(103球)を2失点。2年振りの一軍勝利を飾ったばかりだったが、球宴では思わぬ乱調ぶりを晒した。

この日は真っ直ぐにこだわり、打たれても打たれても投げ続けた。「変化球も要求したんですけど・・・男ですよねぇ」とリードした橋本が感心していた。公式戦とは違う特別な舞台だからこそ、鄭自身思うところがあったに違いない。「(収穫は)ありません。全部良い打者(だった)」。そっ気なく答えたが、その目には余裕が感じられる。


上本博紀 選手

次の登板へ向けてテーマを問われ、「真っ直ぐでイイです。もっと良くしたい!」と答えた。今回痛い目にあった直球へのこだわりに意地が窺える。「逆に打たれて良かったのでは?」と吉竹監督が言う。今季一軍初勝利のヒーローインタビューは通訳無しで行った鄭だが、その時のメモは記念に取ってあるらしい。北陸の苦い経験を糧に、後半戦はますますジャンプアップしてくれそうだ。

鄭とは対照的に好投したのは、蕭一傑投手。2年振り2度目のフレッシュ球宴だったが、4番手で5回1イニングをわずか5球で三者凡退に片付け、自ら「持ち味」と称する『打たせて取るピッチング』を披露してみせた。吉竹監督は、「ああいう感じで打ち取って行ければ!」と絶賛。後半戦への期待を口にしている。


甲斐雄平 選手

前半戦は一軍の戦力として大きなアピールを果たした上本博紀内野手は2番サードでのフル出場だったが、4打数ノーヒットに終わり、悔しいFオールスターとなってしまった。「1試合だけだったし、結果も出なくて反省ばっかり。他の選手は、みんな振りも鋭いし・・・」と危機感を更に強めて帰って来た。まだまだ自分自身「手応えはありません」という上本は後半戦に向けて、「ポイントは全部です!」ときっぱり答える。「チームのために総ての局面で自分の役割を全うすること」!・・・職人気質の若武者に『妥協』という文字はあり得ない。

初出場の甲斐雄平外野手もスタメンでノーヒットに終わったが、2打席ともレフトへ良い当たりの飛球を放ち、『内容ある凡打』に手応えを掴んだのか?笑顔で富山をあとにしている。


大和 選手

また、オールスター期間の一軍練習に参加した大和内野手は、23日、久しぶりの甲子園の感触に笑顔を見せていた。実戦感覚を養うために出場した5月13日 鳴尾浜のウエスタン広島戦で打球に飛び込み、左肩を亜脱臼。一軍の出場登録を抹消されて、その後はリハビリに専念した。「患部を固定する時期が長かった」というが、もう大丈夫。オールスター明けの一軍復帰は見送られたものの、内野のスーパーサブがいつでもスタンバイOK!の確認が取れた事はチームにとって何よりの朗報だ。

リハビリ期間に普段出来ない事を何かやってみたか?質問してみたが、「いや、そういう事よりも、ケガをして、早く治す気持ちの方が強かった」という大和。それだけに後半戦に懸ける思いは、「そりゃもう!」人一倍である。苦しいリハビリを経て、大和もまた選手として一回り成長していた。