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楽勝ムードが一転…まさかの展開に
『天国から地獄』の逆転サヨナラ負けで、阪神はまたしてもカード初戦を落とした。
東北楽天・則本、阪神・メッセンジャーの両本格右腕が先発。阪神は初回二死から鳥谷の中前安打とゴメス・四球で１・２塁とするが、５番マートンが三ゴロに倒れる。
来日５年目で初の楽天戦登板となったメッセンジャーは、立ち上がりから真っ直ぐが走り１５０Ｋｍ/ｈ台を連発。変化球もコーナーコーナーに決まって前半は松井稼のヒット１本と危なげなく抑えた。
連続完封中の則本も阪神戦は初めて。４回には先頭・鳥谷を歩かせたが、盗塁失敗もあって大事には至らない。両者とも５回まで１安打無失点と申し分ない内容で見応え十分な投手戦となった。
阪神は６回表二死、２番 大和が変化球を左中間へ運ぶ三塁打でチャンスを作る。鳥谷・四球で１・３塁となったが、ゴメスは三ゴロに打ち取られ先制することが出来ない。
７回にはマートン・今成の連打と梅野の犠打で一死２・３塁。楽天ベンチが緒方を敬遠すると和田監督は動かず、そのままメッセンジャーを打席に送った。メッセンジャーは追い込まれた後、誘い球を見極めた末に押し出し四球を選び、意外な形で先取点が入る。しかし、続く上本は粘ったものの投ゴロ併殺に倒れて１点だけに終わった。（則本はこの回限りで降板。７回１２３球を投げて４安打５三振５四球１失点）
阪神は８回表、楽天２番手・福山を攻め、一死１塁に投手強襲安打の鳥谷を置いて４番ゴメスがスライダーをレフトフェンスぎりぎりへと運ぶ１１号２ランを放ち、３対０と突き放す。「打ったのはスライダー。手が伸びるところにボールが来た。高く上がりすぎたのでどうかな？と思ったけど…」。４番の仕事にマウロ・ゴメス内野手は胸を張った。
７回１５３Ｋｍ/ｈ、８回にも１５１Ｋｍ/ｈを記録するなどメッセンジャーは終盤に入っても球威が衰えず攻めの投球を続けたが、９回表の打席で四球で出塁。走者として長く残った事でリズムが変わる。その裏 先頭・西田のポテンヒット、代打・後藤の左中間適時三塁打で完封を阻まれた。「２人続けてフォークボールが甘く入った。それまでは全て良かったんだけど…」。ランディ・メッセンジャー投手は８回０/３（１１６球）で交代となる。３安打９三振無四球２失点だった。
無死３塁で急遽登板した呉昇桓だが、代打・ボウカーに中犠飛を許して１点差とされ、更に二死から岡島・内野安打、ジョーンズ・四球で１・２塁。そして５番 牧田の当たりはライト緒方の頭上を越す逆転サヨナラ三塁打に…楽勝ムードから一転、悪夢の暗転劇で阪神は４対３と敗れた。
九分九厘手中にしていた白星を逃し、茫然とする猛虎ナイン。「（回の途中からのリリーフだったが）同じ事。難しくはなかった。準備は出来ていた！」。まさかの救援失敗にも呉昇桓投手は気丈に答える。中西清起投手コーチは、「（９回裏１点取られたところでメッセンジャーは）バテてたな。 （呉昇桓についての質問に対して…）マウンドが合うとか会わないとか、リリーフがそんな事言ってられないやろ！」と不機嫌に吐き捨てた。
試合後、レフトの守備固めが遅れた事やチャンスに併殺打で追加点を取れなかった事など報道陣からゲームのポイントについて質問攻めに遭った和田 豊監督だが、「（いろんな要素があるけど）投手戦というか？お互い譲らない中で（何とか取れた）３点で逃げ切らないといけない試合だった。…明日は絶対に取らんとな！」と最後は決意表明で締めくくっている。
