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延長12回福留がサヨナラアーチ!

劇的すぎるサヨナラ勝利だった。延長12回裏、二死走者なし。あと1人で引き分けという場面で、福留が右翼ポール際にサヨナラホームラン! ガッツポーズが「自然と出た」のも当然だ。

野球の神様がどちらに微笑むのか分からないゲームだった。初回、巨人は亀井の“浜風”ホームランで先制。阪神は巨人先発・杉内に5回までノーヒットに抑えられていたが、6回二死からメッセンジャーがチーム初安打を放って風穴を開ける。上本が二塁打でつなぎ、大和の代打・新井良の2点適時二塁打で逆転した。

メッセンジャーは2回から7回まで無失点投球。8回をセットアッパー・福原が抑え、あとは守護神・呉昇桓で逃げ切り…のはずが、二死から代打・高橋由に同点ホームランを浴び、振り出しに戻ってしまった。

延長戦に入ると、両軍のリリーフ陣が踏ん張り、スコアボードに「0」が並んだ。しかし、最後の最後、野球の神様は阪神に味方することを決めたようだ。

「ツーアウトだったし、開き直って。初球ボールで気持ちが楽になって、もう行ったれと。真っすぐ一本で行きました。打った瞬間、(スタンドに)届くとは思ったけど、あとは、頼むから切れないでくれと、それだけ」

多くの報道陣に囲まれて取材を受けている間、福留のカバンの中からは何度も携帯電話の着信音が聞こえた。祝福の電話やメールに違いない。

「あのバッティングしかないというところで、本人も一発狙いでドンピシャ。距離は足りていると思ったけど、ベンチのみんなが祈る気持ちで見ていた。本来の打率じゃないけど、ここぞという時、いい仕事をしてくれる。非常に頼もしい」

和田監督は一振りで決めたベテランに最大級の賛辞を送った。これで2連勝。あしたも勝って、巨人をあわてさせたい。