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終盤、同点に追い付くも一歩及ばず

最後まで食らい付く粘りを見せたが、あと一歩及ばなかった。

阪神は、前日試合前の練習で脇腹を痛めた大和が登録抹消(左腹斜筋の肉離れ)。2番に今成を入れた打線は初回、先頭・上本が10球粘って中前安打。盗塁を決めて広島先発のルーキー大瀬良を揺さぶると一死2塁から鳥谷の左前安打で生還。ゴメス・マートンも連続適時二塁打で続き、クリンナップの揃い踏みで3点を先取する。

先制打の鳥谷 敬内野手は、「打ったのはストレート。(得点になったのは)上本のおかげ。浅い打球になったけど、よくホームまで還ってくれた」と話した。相変わらず勝負強さを発揮するマウロ・ゴメス内野手は、「打ったのはカットボール。ボールを強く叩けた。昨日は打てなかったけど、今日は初回からチャンスの場面で走者を還すバッティングが出来た!」と笑顔。「内角球にしっかりとコンタクト出来た。目の前でパピー(ゴメス)が打ったから、自分も続きたいという気持ちだったんだ!」…マット・マートン外野手も上機嫌だ。

しかし、阪神先発・岩崎がいかにも不安定だった。1回裏一死1・3塁からエルドレッドに左前適時安打、2回にも二死から1番・堂林に右前適時安打を浴びて2点を失うと阪神ベンチは3回からリリーフ金田にスイッチする。「良い球種が1つもなかった」と指揮官から酷評されたこの日の岩崎 優投手。「早いイニングで降板することになってしまい、リリーフのみなさんに負担をかけて申し訳ない」と平身低頭だった。(岩崎は2回40球4安打2三振1四球2失点)

2番手・金田も3回裏 菊池・丸・エルドレッドに3連打を許して同点とされ、一死後 梵の投ゴロで併殺を焦り2塁へ悪送球! 手痛いエラーで4対3とひっくり返されてしまった。

中盤は、体の不調を訴えた大瀬良に代わった広島2番手・中崎の好投などで膠着状態となる。阪神も金田のあと6回からは前夜 今季初勝利をあげた榎田を投入するが、榎田は7回裏エルドレッドに33号ソロを豪快に打ち込まれ、追加点を許してしまう。

苦しくなった阪神だが、8回表二死から代打・新井貴が左前安打で出塁すると前夜マエケンから起死回生の一発を放った上本が、広島4人目・中田の直球を左中間スタンド最前列に2試合連続となる6号同点2ラン本塁打! 驚異的な粘りで5対5のタイとした。

だが、その裏 連投のベテラン福原がつかまる。ヒット・四球・犠打で一死2・3塁となって広島は2番 菊池がスクイズを敢行。ゴメスが1塁へ送球する間に2塁走者まで本塁を陥れ、まんまと阪神は2ランスクイズを決められてしまった。

それでも9回表 阪神は鳥谷・ゴメスの連打などで一死満塁と広島守護神・ミコライオを慌てさせる。7番ライトでスタメン出場の伊藤隼に絶好機が訪れるが、捉えた打球(ライナー)はサードの正面をつき、代打・関本もニゴロに倒れて万事休す。7対5で惜しくも敗れた。

終盤に一度は追いつき、突き放されても最後まで諦めない粘りを見せた打線は、相手にプレッシャーを感じさせるに十分な迫力だった。「何度もチャンスを作りながら、あと1本が出なかった」。敗戦により、どうしてもクローズアップされてしまう金田の悪送球だが、「上位チームと戦う時は1つのミスで勝敗が決まってしまう。(ただ)ミスが良い訳じゃないけど、ミスが出た時に全体でそれを取り返す姿勢が出てきて欲しい」と和田 豊監督は振り返っていた。