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上本、重苦しいムードを変えた逆転打!
重苦しい流れをリードオフマンが一撃で救った。
DeNA先発・井納に対して2番 今成 下位に福留・伊藤隼と左打者を並べた阪神打線。2回には二死1塁から7番 伊藤隼太外野手の右中間適時三塁打で鮮やかに先制する。「打ったのはスライダー。2ストライクと追い込まれていたが、何とか打ち返すことが出来た」と話した。
3回表には二死2塁で3番 鳥谷が外寄り速球を逆らわず左前へ適時安打を運んで、二塁打の上本を迎え入れる。鳥谷 敬内野手は「追い込まれたカウントだったが、しっかりと捉える事が出来た」と振り返っている。
阪神先発・能見は初回1番 石川の二塁打から一死3塁といきなりピンチを招くが、梶谷・ブランコを変化球で連続三振に斬って波に乗った。最初から全力で腕を振り、追い込んでからのフォークボールも効果的なため、DeNA打線は意識的に早めの勝負に出て凡打を重ねて行く。適当に荒れる割には四球もなく、5回まで68球2安打7三振の無失点。前回も好投をアシストした清水とのコンビで、前半はテンポ良く試合を作っていた。
5回表には二死1・3塁から井納がマートンへフォークボールを続け、暴投で1点を失う。更にマートンの遊ゴロをDeNAショート山崎が1塁へ悪送球。阪神は労せずしてラッキーな追加点を貰い4対0とリードを広げた。DeNA井納は、5回(98球)5安打2三振3四球の4失点(自責3)で降板。「ボールそのものは良かった」(中畑清監督)が、ミスも絡んだ二死からの失点など気の毒な内容だった。
DeNAは6回裏に反撃。石川と代打・多村 連打の一死1・2塁から梶谷・ブランコがいずれもレフト前に連続適時安打を放ち、2点を返す。二死となるが、6番バルディリスもレフト線へ適時二塁打を運んで、たちまち1点差と迫った。
能見は6回(97球)7安打8三振無四球の3失点で勝利をリリーフ陣に託す。
「(能見は)5回まではほぼ完璧で、そのあと突然来たよね!(バッテリーの配球に)課題はあるし、流れに呑み込まれたな」(和田豊監督)。「フォークを狙われていた訳じゃない。それまでのフォークを上回るフォークがなかった(ということ)。球数からすれば、7~8回は行けるやろ!」(中西清起投手コーチ)。
首脳陣も指摘するように失点した6回は、「配球が単調になってしまった!」と能見篤史投手はひたすら反省の弁だ。
7回から必勝リレーに入った阪神だが、2番手・安藤がDeNAへ傾きかけた流れを止められない。先頭・黒羽根のヒットから二死3塁となり、途中出場の松本に渋く一二塁間を破られる右前適時安打でついに追い付かれてしまった。
苦しくなった阪神だが、8回表DeNA5人目・国吉に対して二死から伊藤隼が右前安打で出塁すると代打攻勢に出て、新井良・四球、関本・左前安打で満塁の好機を作る。 ここで1番 上本が高め直球を中越えに飛ばして走者一掃適時二塁打!…7対4と再びDeNAを突き放した。
9回表 阪神はDeNA6番手・平田の3四球で一死満塁とするが、伊藤隼の浅い左飛で3塁走者・鳥谷が本塁を狙って、憤死の際にDeNA黒羽根のブロックに遭う。左腕辺りを庇ってうずくまり一瞬ヒヤリとしたが、無事ショートの守備に就いた。
最後は呉昇桓(オ・スンファン)が3人で締めて、7対4で阪神の勝利。「最初から失点の仕方が悪い。二死からの失点が続いてリズムを作りきれず、同点にしたけど国吉が二死から…最後までリズムが悪かった!」。一塁側ではDeNA中畑監督がボヤく事しきりだった。
ヒーローの上本博紀内野手は、「最近不甲斐ない結果が続いていたが、少しは貢献出来たかな?と思う。とにかく球に食らいつこうと…紙一重です。(巨人戦で不振だった打撃は)まだ完全に戻った訳じゃない!」とニコリともせずに話す。
「ホントは逃げ切れたら良かったけど、(8回)二死無走者から良く繋いでくれた!(上本は)良いスイングしてた。スッキリしたんじゃないかな?…チームとしては(巨人戦に負け越した)悪い流れを断ち切った!」。和田 豊監督も貴重な1勝に胸を撫で下ろしていた。