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2017.2.19
仕上がり、上々!

第4クール最終日。強い日差しが照りつけた宜野座村野球場では、今キャンプ最多となる2万6千人の観客の熱視線を集めて、日本ハムとの練習試合が行われました。

試合前、マウンドにかけられたシートが外されると、現れたのはプレート周辺が台形状に赤土で固められたマウンド。WBC日本代表の藤浪晋太郎投手が先発するため、WBC仕様の硬めのマウンドが用意されました。

23日から宮崎で行われる代表合宿に参加する藤浪は、この日の練習試合が侍ジャパン合流前最後の登板。「結果どうこうより、自分のやりたいことができるか。より実戦的なピッチングができれば」と、本番さながらに整えられたマウンドへと上がります。

三回までは、最速154キロの真っすぐとキレのある変化球で無安打5奪三振。圧巻のパーフェクトピッチングで日ハム打線を寄せ付けません。ところが四回、先頭の西川に四球を与えると、3番・横尾に右前適時打を打たれて1失点。続く4番・大田、5番・岡を2者連続の死球で塁に出し、一死満塁に。そこから、渡邊を見逃し三振、高濱を遊ゴロに抑え、粘りの投球でピンチを切り抜けました。五回は三者凡退。藤浪は、5回を投げて70球、1安打7奪三振、1失点でマウンドを降りました。

「バランスを意識して、余計な力を入れずに投げようと。ある程度変化球も試せたし、ストレートも投げられた」と手応えを口に。2者連続の死球と制球を乱した場面は、「真ん中辺りに投げようと思ったけど、思っていたよりインサイドに曲がった」と振り返ります。

金本知憲監督は、「デッドボールはヒヤッとしたけど、あれも藤浪。直球も良かったし変化球で空振りも取っていたので、心配はしていない」と話し、「WBCで活躍すれば自信になると思う。活躍してほしいね」と、右腕の背中を押しました。

キャンプでは、計3度の実戦登板で9回1失点と、上々の仕上がり。「全体的にはいいキャンプを過ごせた。疲れもあるので、コンディションを整えてWBCに行きたい」。藤浪が、いよいよ世界の舞台へ向かいます。

藤浪の後を受け、六回から登板した横山雄哉投手は、3回を投げて2安打無失点。3番手の岩崎優投手も、九回を1安打無失点と好投しました。

攻撃陣は、八回まで散発5安打の無得点。0対1で最終回を迎えると、先頭の3番・高山が右翼線への二塁打を放ちます。高山は、初回にも日本ハム先発・高梨から右前安打。昨季のセ・パ新人王対決を制しました。続く4番・原口も右安打で、無死一、三塁に。中谷のセンターへの犠飛で、同点に追いつきます。しかしそのままサヨナラとはいかず、試合は1対1の同点に終わりました。

指揮官は、「いい投手が出てくると、なかなか打てない。でも去年より速いボールを打てている」と収穫も。この日2安打の高山については、「最初のヒットは差し込まれていたけど、差し込まれてもヒットにできるのは長所でもあるから」と評価しています。

第4クールのMVPとして、金本監督が名前を挙げたのは秋山拓巳投手。16日の韓国・サムスンとの練習試合では、2番手で4回を投げ、1安打無失点と好投しました。「一皮むけつつある」。大きな期待を込めての選出です。

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