- 2017.3.4
- ジグザグ継投で豪州を完封
京セラドーム大阪のWBC強化試合(対オーストラリア代表)。阪神は日本戦と1・2番を入れ替えて高山・北條の並びで鳥谷・原口・中谷がクリーンアップを組んで臨みました。先発投手は、広島との開幕カード(3月31日〜4月2日・マツダスタジアム)登板が有力視されるベテラン左腕・能見です。
能見は立ち上がり二死から3番ヒューズに右中間二塁打を許すも4番デニングは空振り三振に仕留め、その後2回3回を3者凡退。3回(36球)で6三振を奪う1安打無失点と文句なしの投球を見せました。
能見篤史投手が、振り返ります。「腕を振る事だけを意識していた。(今後は)カウントを意識しながら・・腕を振る事は出来ているので継続してやっていきたい。( WBC仕様のマウンドは) 粘土質で水を含んでいて滑りやすくて怖かった。(開幕へ向けて) しっかり投げられるようにしていくだけ。今後は日本の打者と対戦することになるので・・」。
先制したのは阪神。2回裏 上本・左二塁打の一死2塁から7番 大山がレフトへ適時二塁打を放ち、先取点を奪います。3回には二死から鳥谷がヒットと果敢な初球からの盗塁で得点圏に進み、4番 原口の左適時安打で追加点。4回裏にも上本・死球と大山・ヒットの一死1・3塁から8番 坂本の左適時安打で3点目を取りました。
先制打を含む2安打の大山悠輔内野手は、「1打席目チャンスの場面で積極的に振りに行けたので、それが結果に繋がったのかな?。打席の中では初球から振っていこうとの思いでやってるので、そこは変えずにやっていこうと思う」と話します。「まだまだボール球に手を出してしまったり、2ストライクからストライクを見逃してしまったり・・(反省点が多いので)1試合1試合自分の出来る事をしっかりやっていこうと思う」。
金本知憲監督は、ドラ1ルーキーを次のように評価しました。「(大山は)真ん中付近は何でも行くぞ!という感じ。(2本目の安打は)追い込まれて、右の(投げ方が)ややこしい投手からショート頭上に落としたりしていた。慣れて来たのかな?振る力とかスイングスピードはまだまだだけど、そこらへんを実戦向きというところで補っている。スイングスピードがついてくれば、もっともっと良いモノが出て来ると思う」。
4回表 阪神2人目で登板した青柳は、いきなり先頭打者にヒットを打たれますが、後続を併殺に取るなど2回(34球)を2安打1三振無失点。課題の制球面も無四球でクリアしています。
「(今日のテーマは)真っ直ぐの力強さ。ファウルやカウントを取れるか?が、バロメーターなので確かめたかった。(併殺について)走者が出た時はゲッツーという事は意識している。(出遅れは取り戻せたのか?)この時期にフォームがどうと言っているのは良い事ではないが、だいぶ戻って来た。(現在の状態は)7〜8割位。四球も無かったし悪くなかった。まだ上げていかないと!」。青柳晃洋投手は、まずまずの感触に口も滑らかです。
前半で主導権を握った阪神は、6回以降も島本〜松田〜高橋〜藤川と盤石のジグザグ継投でオーストラリア打線に得点を許さず、3対0と完封勝利をおさめました。
「昨日に続いて投手がしっかり投げてくれて、打線は少ないチャンスを生かしてくれた。能見はストレートの切れが良く、変化球も低めに決まってた。良い時の能見はそういう感じ。シーズンに入っても、そういう投球をして欲しい」。侍ジャパンに続き豪州代表も破って、金本監督の気分が悪い訳がありません。 「(豪州代表は)真っ直ぐには強いな!という反面、変化球に脆さがあるのかな?左の変則投手が何人かいて(WBCでも)対左打者には機能するんじゃないか」。そんな投手陣から3本の適時打を放った猛虎打線については、「タイミングが取りにくい中、まずまずかな?そういう投手には逆に積極的に行った方が良い」と一定の評価を与えます。
打線では、高山・鳥谷・大山がマルチ安打。「(鳥谷はまだ)万全の状態ではないと思うが、ヒットが出てホッとしてるんじゃないかな? 真ん中からインサイドをどれだけ詰まらず打ち返せるか?じゃないかな」と指揮官が話します。
日本戦ではノーヒットながら守備でアピール。この日は3打数2安打1盗塁と攻撃面でも結果を出して、鳥谷 敬内野手は「練習と変わりなく動けているかな? (状態が)良いか悪いか?は分からないけど。いろんな投手と対戦してからですね」といつも通りの口調でクールに答えていました。