- 2017.3.26
- 仕上げのマルチ安打
開幕まで、あと5日。オープン戦最終試合となるオリックス戦が、京セラドーム大阪で行われました。
阪神のオーダーは、3番・糸井、4番・福留、5番・原口と、前日25日のオリックス戦(京セラドーム大阪)と同じクリーンアップ。前日はこの中軸がノーヒットに終わり、金本知憲監督は「心配だね。クリーンアップがああなると、こういう点がとれない試合になる」と、七回まで無得点の苦しい試合運びに苦い表情を見せていました。
クリーンアップの働きにも注目が集まったこの試合、見せ場は3点ビハインドの四回に訪れます。一死から、糸井が右前打で出塁すると、続く福留の放った打球も右前へ。その間に、糸井は快足を飛ばして一気に三塁まで進みます。一死一、三塁の好機となり、原口が左翼へ犠牲。糸井がホームに滑り込み、1点を返しました。「打ったのはスライダー。まず1点という気持ちで打席に入りました。最低限の仕事はできました」と、原口は振り返っています。
糸井嘉男外野手は、六回の第3打席でも安打を放ち、オープン戦初のマルチ安打を記録。二死二塁、オリックス先発・西のスライダーを振り抜くと、打球は二塁手・西野のグラブを弾きます。高山が二塁からホームに還り、阪神移籍後初めての適時打となりました。「ボール気味の球に手を出してしまいましたが、落ちてくれてラッキーでした」と糸井。守備でも、初回に西野の打ち上げた詰まった飛球を、猛ダッシュで前進してスライディングキャッチし、好プレーを披露しています。
フル出場し、バットで足で、その存在感を存分に発揮した背番号7。試合後には「不安はあります。100パーセントじゃないから」と話したものの、その表情はスッキリしたもの。右膝関節炎からの完全復活を目指してきた糸井が、最後のオープン戦で万全の仕上がりを見せました。
先発の能見篤史投手は、5回6安打4失点。初回、先頭の安達に四球を与えると、一死から満塁のピンチを招き、小谷野に左前適時打を許します。初回だけで33球。不安定な立ち上がりに、香田勲男投手コーチは「ボールが高かった」。「いつもよりスピード、キレが今一つだったかもしれない」とはいえ、「ブルペンではすごくいいし、状態はいいので、そんなに心配はしてません」と信頼感を表しました。能見は「状態は悪くなかったが、ボールが高かったので高さを意識してやっていきたい。開幕に向けて、キャッチャーとコミュニケーションをとって準備していきます」とコメント。「初めての開幕じゃないので。しっかり投げられる状態にコンディションを合わせていく」と、13年目のベテラン左腕に焦りはありません。
試合は2-4で敗戦。10勝6敗2分けとなり、12球団4位、セ・リーグでは首位で、オープン戦を終えました。