- 2017.2.26
- オープンマインドで!
キャンプ最後の日曜日。北谷公園野球場の対中日オープン戦が雨天中止となり、遠征組の阪神ナインは屋内練習場でフリー打撃などを行いました。試合に出場する予定だった鳥谷もスイングやスタンスを確かめながら右に左に打ち分け、気持ちの良い汗を流しています。
今季初のスタメン予定が流れた鳥谷 敬内野手ですが、「試合に出たくてウズウズ・・とかはしない。キャンプも終わってみれば早く感じる。(残り僅かだけど)無事に帰る事が出来れば、それで良いでしょ?」と素っ気ない程のクールなコメントは相変わらずです。
同一リーグ中日とのカードが流れて金本知憲監督は残念そう。「最近どこのチームも(仕上がりが)早いからね。いくら調整段階といっても、イイ投手の球を観る事は大事だから。(中日の新外国人は)試合を観ないと分からない。評判イイらしいけど。先ず、観たかった。(ゲレーロは打撃フォームの)ブレが少ない。体重移動が少ない分、フォロースルーでカバーしてるのかな?でも、当たりも強いしね。インパクトが強い」と話して、竜の新助っ人に警戒感を露わにしていました。
エリック・キャンベル内野手は、前日 名護で北海道日本ハムのレアードから受けた日本で成功する為の貴重なアドバイスを披露。「何事にもこだわり過ぎず、オープンマインド・・・広い気持ちを持ってやれば良い。グラウンドの中だけじゃなく、グラウンド以外の事も全てが新しい経験。それを拒否するんじゃなく、その経験を楽しめばイイんだ」。
日本で過ごすキャンプも終盤ですが、「米国ではここまで報道陣に囲まれる事がなかったから」少し戸惑いもありますが、「でも、今のところは大丈夫。みんな親切にしてくれるし、そこまで嫌なヤツもいないからね!」と記者団を笑わせる余裕を見せます。この日の試合が中止になって27日には紅白戦が組まれる事も決まっても、「毎打席ボールをしっかり叩く」気持ちに少しもブレはありません。
「(大山にとっては、初のキャンプ実戦で15打席ノーヒットと、なかなか)打てなかったのが却って良かったと思う」。この日、北谷には大山悠輔内野手の母校・白鴎大学野球部・山本厚太郎部長が激励に訪れていました。かつて『走れコウタロー』『岬めぐり』という大ヒット曲を生んだ歌手の山本コウタロー、その人です。山本教授の授業で大山も「面白い話をいっぱいしてもらった」そうで、恩師の訪問にルーキーは嬉しそうでした。
それだけに雨天中止は、いかにも残念。「やりたかった。1打席1打席が勉強になるんで、雨だとその機会が少なくなる」。それでも試合から室内練習に変わって「逆に一球一球集中しようと」考え直したあたりが並のルーキーとは違うところです。学生の時とは全てが違うプロの世界では、常にテーマを持って切り替える事が肝要で「そうやっていかないといけないんだな!と感じた。切り替えを上手くやっていかないといけない」と心に誓っています。
宜野座では、居残り組が室内を中心にメニューをこなします。ドーム内でフリー打撃などを行った糸井ですが、マシン打撃では福留がずっと後ろに立ってチェック。兄貴分としてアドバイスを送りました。「(福留さんとの話は)野球の事が多い。一つ一つが身になる」と話す糸井嘉男外野手。この日も足を運んでくれた熱心なファンの為にサインをしていましたが、「足よりネ!(今キャンプは手を動かした)」と冗談交じりにコメントしていました。
高知・安芸キャンプではファームが高知ファイティングドッグス(独立リーグ・四国)との練習試合を行い、スイッチヒッターに挑戦中の大和が左打席で決勝適時打を放って3対1で勝ちました。右方向へのヒットで7回裏に試合を決めた大和外野手は、「上手いこと打てた」と笑みを浮かべます。この試合では、今キャンプ好調を持続している陽川も打点を記録。キャンプ後の下剋上へ!・・・安芸から聞こえて来る追う者の足音が日に日に大きくなっています。